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やっぱり私は、二階堂くんが好きになりかけてるのかもしれない。

だって今夜は、二階堂くんのことばかり、面倒くさいくらいに考えてしまってるから。

あの時、追いかけてでも「Aの方が全然可愛い」の意味を聞けばよかったって。

ずっとそればかりを考えて、その夜は眠れなかった。









金曜日の夜、二階堂くんは大きな鞄を肩に引っ掛けて、ファミレスに現れた。

いつものようにドリンクバーを頼むと、

「今日は何時まで?」

なんて聞いてくる。

「10時までだけど。
また何か持ってきてくれたの?」

だってこの間はオードブルを持ってきてくれたじゃん。

そうしたら、

「何もないけど。
何もないと、Aの部屋に行っちゃだめなわけ?」

なんて、純粋な目をして聞いてくる。

驚いた。

私の部屋に遊びに来る気なんだ。

この間、「Aの方が全然可愛い」なんて爆弾を落としておきながら、何もなかったような顔して。









バイト終わりの帰り道、二階堂くんの肩にかかってる大きな鞄が気になって仕方ない私は、

「何が入ってるの?それ。」

そう聞いてみるけど、二階堂くんはお得意の聞こえてないふり。

「A、明日はバイト何時から?」

「夕方から。
二階堂くんは?」

「俺も明日、夜から。」

…なんか嫌な予感がするんですけど。

これって、泊まる気満々じゃない?

案の定、部屋に着いたら二階堂くんは鞄の中からいろいろ取り出し始める。

着替えに歯磨きセット、携帯の充電器…。

…これ、完全にお泊まりグッズじゃん!









「ちょっとここに座って。」

二階堂くんの前に正座して、わざと怖い顔をして促せば、二階堂くんは渋々と向かいに正座をした。

「もしかして泊まる気?」

「…だめ?」

って、そんな可愛い言い方をしてもだめ。

いくら仲のいい友達でも、男女で泊まるっていうのはよろしくないと思うんだよね。

だからここは、きちんと説教モードで言い聞かせないと。

「一応、二階堂くんは男子だからね?
女子の部屋に簡単に泊まりに来ちゃだめ。」

「実は…、電気だけじゃなくてガスと水道も止められちゃって。」

少しだけ申し訳なさそうにそう打ち明けると、

「だから、お風呂貸して?」

なんて、急にふざけたようにお願いしてくるのが腹が立つ。

何が腹が立つって、電気もガスも水道も止められるような状況に陥ってる二階堂くんに腹が立つんだよ。

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わかめ(プロフ) - にかはるかさん» そろそろ話もいい感じに入ってきました(/ω\)今日も更新しましたので、是非、読んでいただければ幸いです(*'ω'*) (2018年4月18日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
にかはるか(プロフ) - 主人公ちゃん頑張ったー!にかちゃんどうするんだろ?ラブラブになれるかなー?!ドキドキがとまりません!! (2018年4月17日 4時) (レス) id: 3dfef49e61 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - チョコブラックさん» コメントありがとうございますm(_ _)mどちらも読んでいただけて幸せですー(*´∀`)♪ (2018年4月9日 23時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
チョコブラック(プロフ) - タマちゃんの方も読んだけどどっちも面白いし、読みやすい! (2018年4月8日 10時) (レス) id: e5c704bd79 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2018年3月21日 4時

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