【兎さんは水浸し】11 ページ49
オンボロ寮に帰ったグリムは満足気に談話室のソファで寝てしまった。
現金だなぁ、とケイト先輩は笑いながら、自分の側へ来て。
「……その、今日、ごちそうさまでした」
「んーん？……キミとモストロ・ラウンジ行けてよかったし」
玄関まで送ろうと、ケイト先輩について行きながら。
……やっぱり引っかかって、勇気をだして。
「……その、ケイト先輩」
「なーに？」
「……自分たち……少し、距離開けませんか」
「……え」
足を止めたケイト先輩に驚いて足を止めると、その緑色の瞳をいっぱいに見開いて……それから、目に見えて不機嫌な様子で。
「……なんで？」
「ええと」
……なんて言えばいいんだ、傷つけなくて済むんだ、と迷いながら。
「……自分とケイト先輩、噂になってるらしいです」
「……それで？」
「それで？って……」
腕組みして自分を見下ろすケイト先輩が何を促しているのか、よくわからないまま。
……とりあえず、言葉を続ける。
「……ケイト先輩に迷惑かけたくない、です。……噂が落ち着くまで、少し……控えようかな、って」
1つずつ、繊細な先輩を傷つけないようにと言葉を選びながら。
……次第に視線を下げてしまって。
と。
……ぐい、と、顎を持ち上げられ……ケイト先輩と目が合う。
……何を考えているのか、でも真面目な目つきで。
「……のに」
「……え？」
……しばらくケイト先輩は目を閉じていて。
……やがて。
「……わかった、距離、あけよっか。"キミに"迷惑みたいだからね」
「……え」
スタスタと玄関を抜けた先輩を、慌てて追いかけて、腕を掴むと、少し寂しそうな先輩が微笑んで。
……違う、そうじゃなくて、と。身体中から変な汗が吹き出すような、どうしたらいい？慌てながらも、いま何かを言わなければならないのは明白で。
「違います、迷惑じゃない、自分には迷惑なんかじゃ！」
……こんなに大きな声、出したこと無かったのに。
ケイト先輩はびっくりした顔をして……足を止めた。
「……あ、す、すみませ……自分から言っておきながら、腕を」
急いで体を離そうとして。
……その腕を引かれて、バランスを崩したところを……。
抱きしめられた。
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リュウ(プロフ) - なみゅさん» えへーありがとうございます♪ぼちぼち進めていきますー！ (2020年9月25日 3時) (
レス) id: 4f9eddeefa (このIDを非表示/違反報告)
なみゅ - あっ、好きです←急 (2020年9月24日 19時) (レス) id: 2c27511880 (このIDを非表示/違反報告)
リュウ(プロフ) - 月璃狐さん» えへ！笑ありがとうございます！お付き合い願えれば嬉しいです♪ (2020年9月7日 17時) (レス) id: 4f9eddeefa (このIDを非表示/違反報告)
月璃狐(プロフ) - あらら？ケイトくんの作品を探してたら、リュウさんでしたwあっこれから応援してます！更新頑張ってくださいね！ (2020年9月7日 15時) (レス) id: 0f0d9564e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リュウ | 作成日時：2020年9月6日 23時
