【兎を追いかけて】1 ページ3
ハーツラビュル寮での、リドル先輩の1件が終わってから、自分はよく「何でもない日のパーティ」に招待されるようになった。
……それだけでなく、エースやデュースと仲良くなり、勉強を教えて貰いにハーツラビュルへ行くことが増えた。
「おや、来ていたのかい。エースにデュース、お客様にはきちんとハーブティーを出しているのだろうね？」
「は、はい寮長！もっちろん！」
「……そ、そんなに固くならなくて……いいのだけれど。……A、ゆっくりしていくのだね」
「ありがとうございます、リドル先輩」
……少し穏やかになった、リドル先輩。
……少しリドル先輩に苦言を呈するようになった、トレイ先輩。
そこに……1人、変わらない人もいる。
「……あ！エーデュースちゃんに監督生ちゃんじゃん！1枚撮ろーよ！」
答えるまもなく肩を組まれてパシャ、とシャッターが降りる。
「け、ケイト先輩！だから勝手にとらないでって言ってんじゃないすか！」
「いーじゃん、エースちゃんももっと自撮りあげてこー？」
「俺は思い出とか新しいバッシューとかあげてんで！」
楽しそうに話すケイト先輩。
……けれど。
「それじゃあね、1年生ちゃんズ、ちゃんとお勉強しなよー！」
そう言って去りそうになったケイト先輩の制服の裾を掴んで止めると、驚いた顔でケイト先輩は振り向き。
……「作り笑顔」で私にほほ笑みかける。
「なになに？けーくんとツーショも撮りたかった？なーんて……」
……つま先立ちして、そっとケイト先輩の耳元に口を近づけて、言う。
「何か、あったんですか。辛そうですけど」
「……な、何言ってんのーAちゃん！？ん、んもー。なんもないってばあ。心配性、だなぁ」
「……でも、ちゃんと笑えてないですよ」
「……。……それじゃけーくん、やることあるから、バイバイ！」
結局、陰のある笑顔の真相は聞けないまま、ケイト先輩は去っていく。
……リドル先輩は大切な想いを取り戻して。
……トレイ先輩も大切な幼なじみのために変わった。
……エースとデュースはリドル先輩へ果敢に挑み、一生懸命寮長を止めようとして、絆を強めた。
けれど。
ケイト先輩だけは……変わっていない。
ケイト先輩だけは、救われていないのだ。
……自分が過敏なだけなのだろうか。けれど。
自分が声をかけなければ……誰もあの陰に気が付かない気がして、いつも声をかけてしまうのだ。
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リュウ(プロフ) - なみゅさん» えへーありがとうございます♪ぼちぼち進めていきますー！ (2020年9月25日 3時) (
レス) id: 4f9eddeefa (このIDを非表示/違反報告)
なみゅ - あっ、好きです←急 (2020年9月24日 19時) (レス) id: 2c27511880 (このIDを非表示/違反報告)
リュウ(プロフ) - 月璃狐さん» えへ！笑ありがとうございます！お付き合い願えれば嬉しいです♪ (2020年9月7日 17時) (レス) id: 4f9eddeefa (このIDを非表示/違反報告)
月璃狐(プロフ) - あらら？ケイトくんの作品を探してたら、リュウさんでしたwあっこれから応援してます！更新頑張ってくださいね！ (2020年9月7日 15時) (レス) id: 0f0d9564e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リュウ | 作成日時：2020年9月6日 23時
