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この世を去る準備 ページ44
颯太side
「颯太、ありがとね。」
今日は比較的に調子がいいA。
酸素チューブをつけてないAを見るのも久しぶりだ。
颯「いいよ。別に。」
Aがありがとうと言っているのは多分、深田にAの伝言を伝えたこと。
湧にも香織にも頼めないから。
嬉しかったんだ。Aのために俺が出来ることあるんだって。
颯「A、ほんとによかったの？」
今ならAの頼みならなんでも聞くけど少しモヤモヤする。
病気になってからのAはずっと心から笑ってなかった。
湧といる時も無理して笑って、湧を安心させるように無理してテンション上げたりしてた。
湧と香織のことがあったから俺たちは仲のいい幼なじみ4人にどう頑張っても戻れなかった。
もし、あんなことがなかったらAは俺たちに怒ったり、泣いたりできたのにと何度も湧たちを恨んだ。
Aは多分、感情を出せる相手を欲しがっていたんじゃないかな？
それが深田だった。
深田といる時のAは心から笑っていた。
「颯太、湧のせいで変わったんじゃない。」
え？
「湧が香織と浮気した過去がなくても私はこうしてたよ。」
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作者名：ゆさ
| 作成日時：2022年10月9日 18時
