すべて、まっしろになるから (ページ13)

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あ、と思った時にはもう遅くて

口だけが先走ってしまった。

でもずっと気になっていたことだ。

Aちゃんの浮気を認めるくらいならなんで別れないのか？

Aちゃんの浮気を認めるってことはAちゃんへの想いがないことなのになんでまだAちゃんの彼氏という役割をキープしてるのか。

湧「まだ手を繋いでいたいなんて自分勝手すぎるよな。」

自分勝手だよ。

Aちゃんの彼氏という立ち位置俺に譲ってよ。

湧「Aは俺にはもったいないくらい優しい子で、」

竜「知ってます。Aちゃん湧くんと香織ちゃんのこと大好きだからって。」

湧くんは『そっか、』と悲しそうに微笑んだ。

湧「深田見る目あるな。」

湧「Aのことよろしくな？」

と湧くんは改札を通って行った。

この関係、湧くんとAちゃんの関係は浮気されたからやり返すという関係だけではない。

Aちゃんが俺と付き合おうって言った理由はもっと深いところにある気がした。

でも今は気づきたくない。本当の理由なんて見つけたくない。

だってそれに気づいたらAちゃんと一緒にいれなくなるから。