すべて、まっしろになるから (ページ34)

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ぜんぶ、元通りにするからページ34

颯太side

知ってった。

湧と香織が一線を超えたくらい。

知らないのはAだけ。

Aは湧を信じていたから。

湧も『Aのことが好きになった』って嘘はなかったんだと思う。

でも湧も香織にずっと片想いしてたんだよ。

そう簡単に好きだった子のことを忘れられないから。

もちろん、Aのことを裏切ってる湧のことも親友を裏切ってる香織のことも許せない。

《颯太ーA来てるけどー》

母親からAが来たことを聞いて珍しいと思って階段を駆け下りる。

《どうしたの？A。》

玄関に行くと今にも泣きそうな顔をしてるAがいた。

颯『A？』

俺の顔を見た途端、泣き出すからとりあえず手を引いて部屋に上がらせた。

多分、湧と香織のこと知ったんだろうな。

Aの背中を擦りながらAが泣き止むのを待った。

数十分後、Aは何があったのかゆっくり話出した。

『湧がね、今日は部活があるから先帰っててって。私も先生に呼ばれてて湧に話があったし、待ってようと教室に行ったの。』

『香織と湧キスしてた。っ、』

あぁ、この子が辛い形でこの事実知ってしまうなら俺から話しておくべきだった。