闇だけが教えてくれる強い光 (ページ46)

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川「Aさん、お身体の具合の方はどうですか？」

病気をずっと診てくれている川野先生。今いるとこだって先生の紹介。

「なんか指が硬くなったのか握力がなくなったのか杖が思うように握れません。」

スプーンを口に運ぶまで震えてスプーンの中のものが溢れることも多くなりました。

川「そうですね。来週は作業療法を増やしてみましょうか。」

週に一度、川野先生が来てくれて私のリハビリを調整してくれる。

「先生、こないだ出した書類の結果はどうなりましたか？」

去年だったかな。やっと日本で認められた尊厳死の法律。

日本は治る見込みがない難病患者を対象にまず尊厳死を認めた。

尊厳死ができるようになってすぐに川野先生に申請の書類をもらった。

川「Aさんの申請は認められませんでした。」

「そうですよね笑分かってました笑」

尊厳死の基準で満たさない用件がひとつあった。

それは家族の許可がないこと。

日本では家族がいる場合、許可などをもらうことが必要になる。

私は小さい頃、両親を亡くしたけどHIROさんと養子縁組をしたから戸籍上も家族がいることになってる。

川「Aさん、ご家族やメンバーさんに、、」

「先生、もう4年ですよ。今更すぎますって。」

川「僕はAさんが尊厳死をするのを認めたわけじゃないですけどこのままだとAさんが望む終活はできませんよ。」

生きれてあと5年。

私は少しずつ身辺整理をしている。その中で理想の最期の迎え方もある。

その理想を叶えるためには尊厳死が必要なんだ。

「もう向こうも私も会いたくないんですよ、」

私にもしものことがあっても、絶対に知らさないでくださいって施設にはお願いしてある。