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玲「A、出来てない。振りズレてる。」
「はい！！」
裕「A、ズレてる。遅れてる。」
「はい！！」
この期間だけは進行しないでと願っていたのに病気は進行のスピードを早めたみたいだ。
だって何時間、練習したって自分の求める動きにはならないから。
「ごめんなさい！！」
男社会にいてもダンスだけは誰にも負けない自信があった。
ダンスがあったからここで生きてこられた。
でも意図も簡単にその能力を奪っていく。
玲「休憩。30分後にまた始める。」
できなさ加減に飽きれて痺れを切らしたのか休憩に入る。
隼「どんまい、どんまい。こういうことだってあるよ笑」
隼がポンっと肩を叩いて部屋を出ていく。
普段、そんなダメ出しされることがなかったからメンバーも不思議そうに見つめる。
変に慰められてる空気が耐えれなくて私はレッスン室を飛び出すように部屋を出た。
「なんでかな、、」
近くの公園のベンチに座って空を見上げる。
「完全、逃げ出しちゃった笑」
事務所からも出てきちゃった。笑今は知ってる人に会いたくなかった。
このまま誰も知らない所に行ってしまいたい。
けどまだここにいたいという私のわがままが頭の中で混ざっていく。
ブーブー
さっきからスマホが鳴る。誰からかかってきてるのかは見なかった。
「事務所の近くの公園で不貞腐れてるだけだっていうの。笑」
そのワードだけ口にするとなんか子どもみたいで笑えてくる。
「しっかりしなきゃ、」
もうすぐ、リハが始まる。時間前に戻らないとまた怒られる。
「、、もう勘弁してよ、、」
立ち上がろうとしたら足に力が入らなくて立ち上がれなかった。
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作者名：ゆさ
| 作成日時：2024年1月8日 23時
