闇だけが教えてくれる強い光 (ページ11)

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家になんとか帰ってきて鍵を閉めた瞬間、靴も脱がず、その場に座り込んでしまう。

ピロン

【病院どーだった？】

と亜嵐くんからのLINEに

【ただの貧血だったって。心配ありがとう。】

と平気で嘘を打ち込んでしまう自分がいた。

「ただの貧血なんて何回でもなるのに。」

年中貧血でもいいから、私の病気と取り替えてくれよ。

カバンから診断書を取り出して、ドアにもたれかかって眺める。

「ドラマじゃないんだからさ。ふざけないでよ。笑」

MRIを撮って見つかったのが

「脊髄小脳変性症、、笑える。」

日本のベストスラーの日記家さんも闘ってった病気。

ドラマ見てたよ。

知ってったよ。この病気。

聞いたこともない病名でなんですか？その病気って言う方がまだましだった。

『先生、冗談やめてくださいよ笑私、こんなに元気なんですよ笑そんな冗談信じられるわけないじゃないですか？』

私、これからなんですよ？

《この病気はゆっくり進行しますが確実に進行していきます。

身体を動かしたいのに動かせない。喋りたいのに喋れないそういう自分をしっかり認識出来てしまう非常に残酷な病気です。》

『馬鹿言わないでください、私はダンサーですよ、？』

《森田さん、この病気の診断は難しくはないんですよ？》

『話になりません。帰ります。』

なんてさ、啖呵切って帰ってきたけどさこれからどうしていくんだよ、

誤診じゃないことは分かってるし、変えられない事実だって分かってる。

でもどうしても診断された結果は自分のものじゃない気がして。

「ほんとにどうするんだよ、、」

私はもうステージの上では生きられないの？

「涙すら出てこないわ。笑」

この日、私の中から光が完全に消えた。