いろんな話がありました (ページ23)

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「もう大丈夫だよね？」

Aの胸の中でどれだけ泣いたか分からないほど泣いた。

その間、Aは俺の背中をずっと摩ってくれた。

「申し訳ないとか、自分が許せないとか思わないよね？」

あぁ、やっぱり君は元の遠すぎる場所へ戻ってしまうんだ。

これで首を横に振ったら君はずっとここにいてくれる？

そんなこと叶いもしないのにね。

湧「行くんだな。」

「私はもうここにいるべき人間じゃないから。」

ずっとここにいて欲しい。

でもそんなこと言っても君を困らせるし、無理なことだから。

湧「少しずつ大丈夫になっていくよ。」

今はAがいなくても大丈夫だなんて嘘でも言えない。

だけど君は安らかに眠れないから。

もうこの命いらないとか思わないからせめて俺は大丈夫なんだと安心して戻って欲しい。

「湧、ありがとね。私の心臓と生きてくれて。」

ドクドクと鳴っている心臓は俺に生きなきゃと意欲をくれるもの。

それはAが俺にくれた最後のプレゼント。

だけどA自身とはここで『さよなら』を言わなくちゃ。

「湧、バイバイ。」

湧「じゃあな、っ、A。」

さよなら俺の初恋の人。