乗り越えてゆけるはず進んでゆけ (ページ20)

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陸人side

皇「A、やってるね。」

陸「うん。海琉たちも食いつきようが違う。」

Aが海琉たちにダンスを教えてるのを見ながら俺はAがダンスを諦めた当初のことを思い出した。

振『次のとこでターンね！！』

あの日もこんなふうにここでレッスンを受けていた。

ドンッ

秀『A？！大丈夫？！』

Aはレッスン中によろけたり、倒れたり、することが多くなっていた。

誰のせいでもないAの病気のせいだ。

振『A、もう限界だよ。もう辞めよう。』

見かねた振付師さんがAの病気のためを思って辛い一言を口にした。

Aを入所当時から見てきた人。Aのこれまでの努力も全部知っていた。

Aが病気だと知ってもいつもと変わらずにレッスンを続けてくれていた。

そんなAの努力を知っている人だから俺らも『そんな言い方しなくても』とか『Aはまだやれます』だとか言えなかった。

現に俺らもAはもう踊ることができないと分かっていたかもしれない。

『いや、！まだやれる！！ダンスだけは、、』

ダンスが私の全てなの

と泣きじゃくるAをあの時初めて見た。