乗り越えてゆけるはず進んでゆけ (ページ34)

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Noside

彼女は半年前に亡くなった娘の仏壇に手を合わせていた。

父「ただいま。」

母「おかえりあなた。ご飯にしましょうか。」

この半年のあいだで彼女ら夫婦に出会った人は仲のいい子のない夫婦にと答えるだろう。

リビングには愛する娘の写真がいくつも飾ってある。

この世を去っても娘を愛する気持ちは決して変わらない。

母「そーいえば湧がAの誕生日に線香上げに来てくれたのよ。」

最近、父親の仕事が忙しくなってゆっくり話せる時間は久しぶりだ。

父「ありがたいな。ずっとAのことを思ってくれて湧には一生頭が上がらないよ笑」

2人の食卓のテレビは少クラがついていた。娘が大切にしていたグループを見守ることが私達ができることだって

母「Aも本来ならここにいたはずなのにね。」

父「あぁ、Aがこんなに輝いているグループにいたなんてな。」

父親は娘が病気になる前、単身赴任をしてたのであまり娘がステージで輝いているところを見たことがなかった。

舞台やライブに行く約束をしてもいつも仕事が入ってしまって行ったことはなかった。

そのたびに娘は

『仕事ならしょうがないよ！！』

私も一応、働いてる人間だから分かるって。