消えてしまわないで Ⅲ (ページ16)

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湧side

湧「A、おはよ。」

今日も眠ったままのAに声をかけ続ける。

秀「A、今日はすごい青空綺麗だよ。」

Aが眠りについてもう1年も月日が立とうとしていた。

この1年俺とアジは時間が許す限りAの元へと足を運んだ。

先月やっと集中治療室から出れてAが使ってる病室に戻ってこれた。

秀「Aそろそろ起きなよ？」

アジがAの愛おしそうに頭を撫でるAの薬指とアジの薬指にはシルバーリングがついている。

何度もそのシルバーリングのせいで心が痛くなった。

俺がここに来る理由なんてどこを探してもない。アジにとって俺は邪魔ではないかって何度も思った。

けどAが今日こそは起きるんじゃないかって毎回思って行くのを辞めれなくなった。

秀「昨日、山川達来たんだって？黒ちゃんから聞いた。」

いつもの位置に座っていつものように時間が迫るまでAが起きるのを待つ。

少し前はちょっとした反射運動もみんなして喜んでたけど今では今日もただの反射運動かと失望する毎日。

反射運動よりも目を開けて欲しいそう思ってもう1年。

どんな長い夢を君は見てますか？

幸せな夢ですか？

その夢がハッピーエンドになってからでもいいから起きてください。