消えてしまわないで Ⅲ (ページ15)

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湧side

しょっぴーから『手術が終わった』と聞いて純粋に喜びたかった。

でも喜ぶ以前にしょっぴーのあとの言葉が気になった。

翔「しかし、？」

次の言葉を聞くのが怖かった。聞いたら絶望の海に溺れそうで聞きたくなかった。

俺は胸ポケットにそっと手を置いた。

真緒、Aを守ってくれ、、

今日、何度目かになる真緒へのお願い。

Aを助けて。

渡「Aさんは、、いつ目を覚ますか分かりません。」

なんで？なんで？そうなるんだよ？あいつ何もしてないのに。

秀「それって、、目が覚める確率もあるってことですよね？！」

人は都合いい解釈をどうしてもしたがる。もちろん俺もそう解釈したい。

けどすぐに現実はどこまでも味方してくれないと知らされる。

渡「Aの免疫力や体力から考えるとその可能性は、、」

颯「それって、、一生Aは目を覚まさずに、、」

アジはその場に膝から崩れ落ち、Aの両親は大きな声で泣いた。

俺はどうしていいのか分からずただ管だらけのAをガラス越しから見つめていた。

せめて幸せな夢でも見てる幸せな寝顔だったら俺らの心は少し救われたのにな。