ソクバク

忘れ物 ページ10

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みさちゃんとの食事を終え帰路につく。




どれだけ応援してくれても、
また隆くんを振り向かせるのは難しいだろう。







『 とりあえず仕事しなきゃな… 』







こうやって隆くんと別れてからの4年間
逃げてきたんだ。





家に着いた瞬間、ソファにダイブする。







そういえば、隆くんも疲れた時
ソファにダイブする癖あったよね。





そのまま何時間もボーっとしてたり。






それで結局寝ちゃうんだよね。








そんなんだから朝、寝坊して
みさちゃんに怒られるの。



隆くんの家に泊まりに行った時は
私が起こしてあげてたよね……









なんで今更気付くんだろ……



あの時、隆くんだって忙しいなか
私に時間を割いてくれてたんだよね。





なのに、その気持ちを踏みにじったのは私…





そりゃあ怒るよね…









ソファに寝たまま考えを巡らせていると
メールの着信音が響いた。







『 誰だろ…… 』









名前を見ると、



ん……にし？



西島隆弘！！









思わず飛び上がった。







個人でメールのやり取りすることなんて
別れてからほとんど無かった。



メールを開くところが押せない。



なんのメールだろ……








業務連絡……かもしれないし！



でも、そういうのはリーダーから来るし…



もしかして、もう関わるなとかいうメール？



色々考えすぎてメールを開けない。



なんだかんだで30分経ってやっと開いた。









隆「 お疲れ。昨日の打ち合わせで
Aの資料間違えて持って帰った。
ごめん、取りに来てくれる？
次の打ち合わせまでに案出すから
必要でしょ。しばらくグループで
会わないし。よろしく。 」







淡々とした文章。







元から彼はメールの返事が遅くて
文章も誤字が多かったりシンプルだ。






なのに、今の私にはこの業務連絡のような
文章達が突き刺さるように痛い。








少し手が震えながら了解の返事を送った。







明日隆くんの家に資料を取りにいくことに。







緊張する……けど、もしかしたら
仲を戻すチャンスかもしれない。



そんな淡い期待を胸に眠りについた。

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