君に恋したのは、雨のせい 2

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『 ん……あれ… 』



直「 目覚めた？ 」



『 直也さん…… 』



直「 よかった、本当どうしようかと思った… 」



『 そばにいててくれたの？ 』



直「 仕事以外はね。
本当によかった…… 」




『 ありがとう……
直也さんのおかげで手が暖かいな。 』



直「 俺の手、暖かいだけが取り柄だから。 」



『 もう、何言ってるの…… 』



直「 髪、といてあげようか。 」



『 ありがとう…… 』






隆くんより少し大きな手。



クシを持った直也さんの手が
私の髪に触れる。






直「 サラサラな髪だね。」



『 そんなことないよ…… 』



直「 こっち向いて。 」







振り向くと、優しくキスをされる。



隆くんとは違うキス。






直「 嫌……だった？ 」



『 そんなことないよ…… 』



直「 これから、時間をかけて俺のこと
知ってほしいし好きになってほしい。 」



『 うん、ありがとう直也さん…… 』



直「 ちょっと散歩しようか？ 」



『 うん、行きたいな。 』




車椅子に乗り、病院の中庭へ向かう。




直「 お花、好き？ 」



『 うん、大好き。 』



直「 今度、お花買ってくるね。 」



『 ありがとう…… 』



直「 好きだな…… 」



『 え、お花？ 』



直「 ううん、Aちゃんのこと。 」



『 何で、ここまで優しくしてくれるの？
こんなボロボロの私に…… 』



直「 好きな人が困ってたら助けたい。
そう思う気持ち、わかるでしょ？ 」



『 うん……でも私、下手したら
死ぬかもしれないんだよ？ 』



直「 俺がAちゃんのそばに
いたいからいる。それだけ。 」



『 ありがとうッ……… 』



直「 泣かないで。1人じゃないから。 」









隆「 ………… 」

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