君に恋したのは、雨のせい 2

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隆弘side







Aちゃんがいなくなって1年。





俺は仕事の時間こそ気丈に振る舞っていたが、
家に帰ってからは落ち込んで
ご飯も食べられない、そんな状況が
続いていた。






実「 にっしー！ご飯できたよ！ 」



隆「 ありがとう、宇野ちゃん。 」





こうやって、たまに宇野ちゃんが
ご飯を作りに来てくれて、やっと食べられた。






実「 最近、連絡は？ 」



隆「 まだ、ない…… 」



実「 そっか……
あんなに優しい子がいなくなったのは
何か大きな理由があるんだよ。 」



隆「 俺もそうだとは思う。
でも俺に一言、言ってくれてたら…… 」



実「 恋人だから、言いたくないってことも
あるじゃない？ 」



隆「 女子ってそうなの？ 」



実「 そうだよ。例えば、弱っていく自分を
見せたくない、とか…… 」



隆「 弱っていく自分…… 」



実「 例えば、だよ？ 」



隆「 そういえば…… 」









" Aちゃん、お腹痛いの？ "



" ううん、平気！ "








" あれ、ご飯食べないの？ "



" うん、今ダイエット中で…… "






彼女は、何かを抱えていたのかもしれない。









実「 にしてもさ、リーダー最近
彼女できたんじゃないかと思うんだよね。 」



隆「 え、リーダー？ 」



実「 やたらと早く帰ると思わない？
しかも、いつもマスクして……
なんかおかしいよね？ 」



隆「 全然気づかなかった。
宇野ちゃんよく見てるね。 」



実「 まあね。さ、食べよ！
Aちゃんも、にっしーが
元気ないと心配するよ！
ウチらはテレビ通して勇気を届ける
ことができるんだから！ 」



隆「 うん、ありがとう宇野ちゃん…… 」









このときは、思いもしなかった。



俺の不安が的中してしまうこと。



大切な絆が、脆くなり始めてること。

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