君に恋したのは、雨のせい

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ある日、彼はこう言った。







隆「 今日から俺は彼氏ね。 」



『 へっ……？は？ 』



隆「 なーにその顔。
せっかくの可愛い顔が台無しよ。 」



『 か……れし？とは？ 』



隆「 彼氏は彼氏！
言ったでしょ？恋のリハビリするって。
Aちゃんの傷ついた心を
俺が癒してあげる。 」



『 どうしてそんなことするの？
どうして優しくしてくれるの？ 』



隆「 どうしてだろうねー……
放っておけないから、かな？ 」







別に私のことが好きってわけじゃないんだよね…



彼の顔はいつも通りのニコニコ笑顔。








隆「 もうここにも慣れただろうし、
そろそろいいかなって思ったから。 」



『 でも、隆くんは芸能人だよ？
家に私がいるだけでもマズいのに、
ましてや付き合うなんて…… 』



隆「 リハビリ、だよ？
Aちゃんの心が元どおりに
なるように治療するんだ。 」



『 でも、そういうのは…… 』



隆「 俺を、利用してよ。 」



『 え……？ 』



隆「 知ってるよ、夜中に泣いてるの。
まだ心の傷が癒えないんだよね。
なら俺が癒してやる。 」




優しくハグをされた。




隆「 例えば君が鳥ならば、僕は風になりたい。
そんな感じ？ 」



『 Us……私の好きな曲。 』



隆「 ね、いいでしょ？ 」



『 うん…… 』




私は彼の背中に手を回してしまった。



これが私を苦しめる契約になるとは
知らずに。

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