COSMOS (ページ32)

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・浦田店長ページ32

私は自転車を押しながら、
浦田店長と並んで帰る。

前に、にっしーと
こうしたことあったなぁ…

終業式の日以来みんなには会っておらず、
暗い顔も見せたくないのでバイトが忙しいと
言ってメールをしただけだった。

にっしーは何日かに一回、
心配してメールを送ってくれる。

中には、会えないかな？とか電話しない？とか
送ってくれたこともあったけれど、
好きな人に今のボロボロの姿を見せたくなかった。

直「大丈夫？最近ずっと手伝ってくれてるから。」

『大丈夫です！まかないも出して
いただいてますし！』

直「お母さんの体調はどうなの？」

『まだあんまり良くなくて…… 』

直「そっか…大変だね。
でも、俺も去年親父を亡くしたから。
母親がすごく落ち込んでた。」

『そうなんですか…… 』

直「でも親父のやってた喫茶店を改装して
今年から店を始めたんだ。そうしたら
母親も元気になってきて。今では
夜のメニューを担当してもらってるよ。」

浦田店長にもそんなことがあったんだ……

『あの、私も母が元気になったときのために
お金を貯めておきたいなって思ってて… 』

夏休みの間はほぼ毎日朝から晩まで
カフェでバイトの予定。

浦田店長の経営するカフェは朝のモーニングから
お昼のランチ、デザートのパンケーキ、
夜は浦田店長のお母さんも一緒に
洋食もやっていたりする。

時には県外からお客さんが来るような
隠れた名店という感じ。

直「無理はしないようにね。
相談はいつでも乗るから。」

『ありがとうございます…！！』

浦田店長はすごく大人で余裕のある人だな…