・俺の気持ち ページ16
隆弘side
まだ出会って数日のAちゃん。
初めて見たときに感じた何かは
未だにわからなくて。
でも、秀太や日高や與とどんどん仲良くなっていくのを見てるとなんだか取り残された気分になった。
まずは形からと思い、呼び捨てで呼ぶことに。
彼女は少し人見知りなのか恥ずかしくなると
俯く癖がある。
顔を赤くしてはにかむ姿を可愛いと思った。
そんな中聞いた彼女の悩み。
俺の想像をはるかに超えていた。
そんな辛いことがあったのに気丈に振る舞う彼女を守りたいと思った。
辛くて苦しいのは自分なのに、
ごめんね、ありがとうと言った彼女の笑顔は
儚くて。
今にも壊れてしまいそう。
涙を拭おうとしたけど、途中まで出した手を
彼女の頰に持っていくことはできなかった。
かわりに背中をさすっていた。
小さな背中。
この背中にたくさんの物を背負っているんだな……
せめて俺といる時だけでも……!
今日行く予定だった秘密基地に彼女を連れていくと笑ってくれた。
そうだ、この笑顔だ。
俺の中に、あたたかい感情が生まれた瞬間だった。
190人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:kei | 作成日時:2017年9月30日 22時