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女「睡蓮、今日はこのお客様だけやから、
ゆっくり癒してあげや。
国際警察や。
掴んだら太客になるから絶対掴むんやで。
奥に、寝床も用意しております。ごゆっくりと」
その言葉とともに、他の女郎も入って来た。
宴が始まる合図だ。
咲也という人とつかさという女性は別の部屋へと連れて行かれた。
私と圭一郎という人の二人きりになった部屋。
先に沈黙を破ったのは、圭一郎だった。
圭「君の名前は？」
貴「睡蓮」
圭「それは、源氏名だろう。」
貴「お客さん、人に名前を聞くときはまず自分からよ？」
圭「これは失礼。俺の名は、朝加圭一郎だ。」
貴「圭一郎さんですね」
圭「そして君の名前は？」
貴「圭一郎さん。女郎に本当の名などありません。
うちは、睡蓮です。」
圭「でも…(ｸﾞｲｯ)」
ネクタイを掴み顔を近づけ
貴「あんまり言うと、その口を塞ぎますよ？」
数センチでキスできる距離だ。
圭「///離してくれ///」
そんな顔をしないで欲しい。
慣れてないから、こちらが恥ずかしくなる。
そう思いながら、ネクタイを離した。
貴「圭一郎さん、どうぞ」
圭「あぁ…ありがとうございます」
貴「足、崩しはったら？」
圭「はい」
少しの間があり
圭「睡蓮さんは…なぜここで？」
貴「ここには恩がある。
ただ、それだけや」
圭「そうなんですか…」
貴「えぇ…」
圭「あの、なぜあの時…」
貴「オークション会場にって？」
圭「えぇ…」
貴「…お客様に誘われて…」
圭「…本当ですか？」
貴「…どうでしょう？
詳しい事は、ここでお話しできひんから…」
圭「え？」
ｽｯ
私は、圭一郎さんの足に片手を添え、もう片手でネクタイを掴み、
貴「あちらのお部屋でなら…お話しできますよ？」
そう言って、彼を誘おうとした。
すると
圭「…詳しい事は、また後日」
と言い残し、部屋を去った。
貴「意気地なし…」
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作者名：優慧 | 作成日時：2018年6月21日 23時
