君の宝物 (ページ2)

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-遊郭-

遊「いらっしゃい」

そんな声が飛び交うこの街。
ここは、一度入ったら一生出られないと言われる遊郭という名の牢獄。
私は、この街でナンバー1である花魁になった。
私の願いは、ただ一つ。

”生き別れの妹を救う事”

貴「え？近々、闇のオークションが開かれるん？」
客「あぁ。もし良かったら、行ってみるかい？」
貴「いや、私は…」
客「ここだけの話、
　そのオークションで幼子が売られるらしい。」
貴「え？」
客「どうする？」
貴「…行きたい…。連れて行ってくれへん？」
客「連れて行ってあげる。その代わり…」

ﾄﾞｻｯ

客「いつもより、楽しませてもらうよ。睡蓮」

ﾁｭｯ

貴「絶対やで？」
客「あぁ」

私の仕事は、男を喜ばせる仕事。
自分の言葉、身体全てを使って喜ばせる。
ある種の汚れ仕事だ。
なぜ、こんな仕事を？
そのことは、追々…。

客「女将さん、明日、睡蓮を1日貸してもらうよ。」
女「はい。どうぞ。
　これだけ払っていただけるのであればどれだけでも」
客「じゃぁ、睡蓮。明日、ここまで迎えに来る。」
貴「えぇ。ありがとうございます。」
客「じゃ。」
貴「ほな。」

ﾁｭｯ

明日、私は妹を意地でも落とすの。
取り返すの。
私の大事な妹。