星の歌姫【月島蛍】

ep:17 ページ18

-星宮side-

どんなに思い悩んでもきちんと朝はくるもの
泣いて少し重たくなった目が嫌で
冷たい水でパシャパシャと顔を洗う

昨日の夜部屋に戻ってからずっと考えていたけれど
答えは全然見えてこなかった

だから今日聞いてみようと思う
エトのことを大好きでいてくれる彼に
なにかヒントがもらえる気がした

そう思って学校に行ってクラスの扉を開けた

「ちょっと、もっと早くきてよ」

突然背後から声をかけられて思わず振り向けば

「け、…月島くんどうしたの」

思わず名前を呼びかけてしまった危ないな

「けって、わかりやすすぎでしょ」

「もういちいちからかわないでよ。それで何か用？」

「エトの記事、読んだ。最高だね」

なるほど。その感想を聞いて欲しいと思ったのか
でも褒められたら思わずにやけてしまいそう

「なに1人で百面相してるの。あ、そういえばふと思ったんだけど星宮さんがいつもしてるそのネックレス
エトがしてるのと似てるよね」

心臓が飛び跳ねた
そもそも制服から見えているなんて思わなかった
私はいつもピンクゴールドの細いネックレスをつけている。飾り程度に星がついているけれどほんとに地味なのに、気付かれているとは思わなかった

「そ、そうなの。エトがしてるのと似てると思って衝動買いしちゃって」

「ふーん。星宮さんでもそんなことあるんだね」

「いいでしょ別に」

閉めたはずのドアがまたガラガラと開いた

「おはようツッキー！！え⁉星宮さん⁉」

「おはよう山口くん」

「お、おはよよよう…」

なんかものすごく挙動不審な山口くんは置いておいて

「ねえ月島くん。今日一緒に帰れる？」

「部活の後なら。」

「じゃあ待ってるね」

「だったらさ部活きてよ。ただ待つだけじゃ退屈でしょ」

山口くんがおろおろしていて面白いなあなんて
思っていたら頭を掴まれて

「ちゃんと話聞いてる？」

目の前に整った顔があった

「ごめんごめん。じゃあ放課後連れていってね」

そう言って席についた

後々彼らが

-星宮さんとよくあんなに話せたな⁉-

-月島くん星宮さんと付き合ってるの…？-

大変な目にあったのはまた別のお話

ep:18→←ep:16

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す