検索窓
今日:16 hit、昨日:2 hit、合計:7,233 hit

ep:15 ページ16

-及川side-


「Aちゃんは今も昔も変わらず優しいよ。
でもその型にハマることないんだよ。
だからエトっていう名前でもう一度自由に

輝きなよ」

あの時彼女にこんな言葉をかけたことを
少し後悔していた
彼女の苦しさをさらに増やしていたらどうしよう
なんて柄にもなく悩んでいた

でも

「あの言葉があったから私はここにいます」

こんなふうに言ってもらえるなら
話してよかったのかもしれない

彼女は少し上を見て星空に向かって手を伸ばしていた

「私今すごく楽しいんです。
大好きな歌を楽しんでくれる人がいる
私を、エトという存在を待っててくれる人がいる。
それってすごく幸せだなって思うんです」

そう話すエトちゃんの顔はとっても綺麗だった
ただどこかほんのすこしだけ

寂しそうだった

「でもまだ、納得いってないの?」

なんとなくそんな顔に見えて
思わず聞いてしまった

彼女は伸ばしていた手を下ろして俯いて
座っているブランコを突然ゆっくりと揺らし始めた

「最近わからなくなるんです。
確かにエトは私です。
見えない誰かの運命を変えるような歌を歌いたい
きちんと叶えたい目標はあるんです
でもなにかが足りない。」

ブランコが止まった
一つ風が吹き抜けた
彼女の髪が揺れて
一粒の雫が溢れた

「その原因はやっぱり「A」と「エト」の間にある
溝のせいだと思ってます。エトの輝きは…

星宮Aのものじゃない…」

俺は彼女の髪を少しかき上げて目線を合わせた

「その答えを俺は知らない。
でもヒントはあげられるよ」

そう。今はまだ気付いていないだけ

「その答えはAちゃんの中にしかない。
他の誰でもない。もちろんエトでもないんだよ」

答えがあるのは彼女の内側
でもきっとその答えの存在があるのは

「Aちゃんが1番歌を聴かせたい人は誰なの?」

きっと彼女の外側にある

彼女は目を開いて顔を上げた

「…ありがとうございます。いつも助けてもらってばかりですね」

そう言って微笑んだ。

「今すぐには見つけられなくても…。
私だけの

星宮Aの煌めきを見つけます」

綺麗だった

昔よりもずっと

好きだった

弱くて脆かった彼女が

少しだけ離れたところから

ずっとずっと見守ってるよ

いつかAちゃん自身が

自分を見ていて欲しいと思える人に

出逢えますように

ep:16→←ep:14



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 7.4/10 (23 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
24人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- ゆる。さん、そういうことでしたか 。 こちらこそすみませんm(_ _)m返信ありがとうございます!こちらこそよろしくお願いします! (2020年5月31日 16時) (レス) id: 51bb303542 (このIDを非表示/違反報告)
ゆる。(プロフ) - 澪さん» コメントありがとうございます!わざとそのような表記にしたんですけどわかりにくかったですよね…。ご指摘ありがとうございます!読者様に不快な思いをさせたくないので訂正しておきますね…!これからもよろしくお願いします! (2020年5月30日 18時) (レス) id: d86cba50c9 (このIDを非表示/違反報告)
- すごく面白いです!応援してます! ただ、月島君の名前は、ほたるではなく けいだと思うのですが…。不愉快に思ったなら申し訳ないです。 (2020年5月30日 15時) (レス) id: 4fbbe91aff (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:結希 | 作成日時:2020年5月30日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。