伊野ちゃん、ママになります。8

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(劇中)



男が青年に与えたのは当たり前のモノ・コトなのだろうか？


それは分からないが、


青年にとっては、当たり前が当たり前じゃなかったから、男の一つ一つの優しさが幸せで仕方なかったんだ。




自然に溢れるところに2人で引越し、青年は家で家事をしたり、男の仕事のサポートをしたり、ピアノというものを弾いてみたり、男とイチャイチャしたり…


涙を流さないではいられないくらい幸せでたまらなかったんだ。



あれだけ体調を崩してばかりだった、ちょっと前の日々が嘘みたいに、体調がいい日が続くことが多くなり、骨がういてた体も脂肪が少しついていった。








男は、車椅子を押して青年を、人生初のレストランへ連れ行った。



青年は子供のようにキラキラした目で、店内を見回して、男と目が合うと、細くて白い腕が顔に向かって伸びてきて、指が頬に触れて、唇と唇が重なった。









青年は初めてステーキを食べた。


そして、初めて指輪というものを貰い、薬指にはめられた。









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涼介)素敵な恋だね

慧)うん(*´罒`*)
幸せってことなら俺も負けてないくらい、幸せだよっ

涼介)俺もすげぇ幸せっ！
慧がいるからっ(*´罒`*)

慧)涼介がいるからっ！


｢｢あと子供達とメンバーがいるから!!｣｣




俺がフレンチキスをしかければ、慧が目を見開いてビックリして、ニカァって微笑んでくれた。


俺は3時間前に繋いだままずっと繋がっていた手を引っ張り、映画館を出た。

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