伊野ちゃん、ママになります。2

2 ページ34

慧side


待っても待っても、時計は全然進んでくれないから、「もしかしたら、帰ってこないの？」って思っちゃって、ブルブル震える体を、フラフラする足で1歩1歩支えながら、玄関まで行って取手を掴むと、トイレに行っていたマッケンが慌てて走ってきて、すごい力で腕を掴んできた。


真剣佑)何やってるの！ダメだよ！

慧)やぁあ、離してっっ、

真剣佑)ダメだよ！ちゃんと俺の目見て！

慧)エーーーーンやだぁーｳｪｰｰﾝ


熱がどんどん上がってるのに、裸足で外に出ようとする俺に、マッケンに叱られてシュンとなった僕に今度は優しく

真剣佑)せめて、ここで待ってよ？外はダメだよ？


玄関入ってすぐの廊下に座らせてくれて、何枚も毛布を持ってきてくれて、クッションも抱きしめさせてくれた。


でも、待ってる時間はどんどん俺を不安にさせ、比例するようにだるさと熱が酷くなった。


やっと薮が帰ってきてくれて、抱きついていると、一瞬にして力が抜けた。

遠くで話しかけている感じはするけど、そのまま意識を手放した。

3→←体の悲鳴

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す