君のためなら【キミガシネ】 (ページ21)

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サ「Aさっき言ってた必勝法、教えてくれないか？」

私は嬉しかった。少しでも皆の力になれる。

『もちろんいいよ！あのね、リボルバーに…』

皆に伝えようとした時だった。
急に私は布のようなものを顔に巻かれて、お腹にベルトが巻かれて椅子から立ち上がれなくなった。

ケ「A！！！」

耳は塞がれなかったみたいで、私の名前を叫ぶケイジさんの声が聞こえた。

ア「すまねぇなー！
必勝法を皆で共有する。そんなことしたら面白くねーだろー？」

そんなことだろうと思った。でなければわざわざ私を椅子に座らせる意味なんてないんだから。

ケイジさんが目の前にいる、その事が何となくわかった私は、手を出してケイジさんの頬を撫でた。

そしてケイジさんは手を重ねた。

ケ「…Aが教えてくれなくなったなら俺らで考えるしかない。話し合いの続きをしようか。」

ケイジさん達は再び話し合いを始めた。

真っ暗の中で過ごす時間は酷く長く思えた。

少ししたらアルジー声が聞こえた。
チャレンジャーは話を聞く限りサラちゃんになったんだろう。

ただ発砲される音が鳴り響く。

真っ暗の中で聞くその音は普通に聞くよりも怖かった。

9回鳴り響いたあと、アルジーの声が聞こえた。

何を喋ってるかよく聞こえなかったけどアルジーが興奮していることは分かった。

成功、したんだ、よかった……

少し安心していると、
誰かが私の方へ来ているのに気づいた。

ケ「A、今解くよー。じっとしててね」

ケイジさんはそう言うと解いてくれた。

ケイジさんの顔を見て安心したのか
私は考えるより先にケイジさんへ飛びついた

『あぁ、よかった…』

ケイジさんは何も言わずに頭を撫でてくれた。