【刀剣乱舞】審神者？いやいや、私は補佐役だよ

15.カッターが十一本 ページ15

貴方『入るよ』


そう言って障子を開けるが、

三人はこちら見ない


どうやら、姉のことで二人が争っているようだ


…ほんと、溜め息しか出ないよ


秋田「Aさん、どうしました？」


五虎退「虎くん、さわりますか…？」


少し戸惑いながら、

心配してくれる秋田君と五虎退君


貴方『…いや、大丈夫だよ。
ほら三人共！新しい刀剣が来たよ！』


真心「え？わ、分かった！
ほら二人共、やめなよ！」


加州「もー何!?今良い所だったんだけど!!」


貴方『喧嘩はそこまでにしてくれるかい？
ほら、新人が来たから挨拶』


薬研「おぉ……ん？秋田と五虎退か？」


秋田「は、はい！
お久しぶりです、薬研兄さん！」


五虎退「ひ、久しぶりです…！」


二人は若干引きながら挨拶をした


うん、まあ…実の兄の

あんな姿を見たらそうなるよね


真心「えっと、わたしが主の真心だよ！
これからよろしくね！」


秋田「…はい主君、宜しくお願いしますね」


五虎退「…よろしくお願いします」


…？私は二人の態度が、妙に冷たく感じた


心なしか、三人に向ける目が鋭い気がする


すると、五虎退君の虎君達が

姉に｢遊べ｣と言わんばかりに飛び掛かった


真心「きゃあっ！」


加州「主!?ちょっと、離れてよ！」


五虎退「ご、ごめんなさいぃ!!」


貴方『落ち着きなよ君達。
ほら虎君達、向こうで私と遊ぼうか』


虎君達は私の言葉を理解したのか、

大人しく私の元に戻った


姉はというと、加州君に抱きついて

目に涙を溜めながら怯えている


｢わたしを引っ掻こうとした｣だの

｢怖い｣だのブツブツ言っている


加州「主、もう大丈夫だよ！」


薬研「五虎退、悪いが
虎達を向こうへやってくれ」


五虎退「で、でも…」


貴方『いいよ、五虎退君。もう行こう』


秋田「ですがAさん！」


貴方『今はそっとしておこう。
それで良いよね？薬研君』


薬研「…あぁ、悪いな」


貴方『いいよ。ほら二人、私の部屋に行こう。
お茶でも飲んで、落ち着くまで待とう』


秋田「…はい」


貴方『五虎退君も。それで良いよね？』


五虎退「はい、Aさん…」


貴方『ん、よし。じゃああとは任せたよ』


姉のことは二人に任せ、私は二人の手を引いて

足早にその場を去った


その日は結局、

私の部屋に三人で寝た


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