柘榴が二十六粒 ページ28
表情では分かりにくいが、少し残念そうにしてAがそう言うと、幸村は慌てて頭を振って否定した
幸村「いいえ！そんなことありません！」
貴方『じゃあ…』
幸村「…流石に呼び捨ては出来ないけど、敬語は外させてもらうよ」
貴方『！あぁ、それでもいいんだ。寧ろ、無理を言って悪かった…』
幸村「やだなぁ、謝らないでよ」
貴方『す、すまない』
幸村「もー」
幸村はそう言いつつも、楽しそうに笑っていた
そんな幸村を見て、Aも安心したように薄く笑みを浮かべた
二人の間にホワホワとした空気が流れていた時だ
遠くからAを呼ぶ声が聞こえた
幸村「？今のは？」
貴方『休憩が終わり、私を呼びに来たのだろう。私は此処だ』
Aが庭の入口に向かってそう言うと、探しに来たらしい獄卒がA達に気付いた
「此処に居らしたのですね。さあハデス様、業務に戻りますよ」
貴方『分かっている』
幸村「Aさん」
貴方『すまない。話の途中だが、私は戻らないといけないのでな』
幸村「うん。お仕事、頑張ってね！」
貴方『ふっ……あぁ、また後でな』
Aは幸村の頭を撫でると、獄卒と一緒に裁判所へと戻って行った
その姿を見送ると、幸村もまた客室に戻った
幸村「はぁー……今日は何だか疲れたな」
そう幸村が呟くのも無理はない
誘拐されて、友達が新しく出来て、自分の叔母という人に会って、仲良くなって……
文字に起こしてみると、結局色々な事が一日で起きたと実感出来る
そんな濃かった一日の疲れを紛らわせるように、幸村はベッドに沈んだ
そして、先程Aに撫でられた所と重なるようにそっと手を置いた
幸村「………」
頭を撫でられるなど、デメテル以外からはされた事が無い幸村にとって、それは貴重な体験だった
Aの体温は前と同じで、確かに冷たかった
然し、何故か心がポカポカとして心地良かった
幸村は胸の中心を押さえ、静かに目を閉じた
そしてそのまま、眠りについた
＿＿ここは夢の中
…というよりは、幸村の記憶の中だろうか
遠い昔のまだ幸村が幼かった頃の記憶だ。幸村は父、ゼウスの膝に乗って遊んでいた
するとゼウスが外を見て、幸村もつられるように神殿の外を見た
そして其処に、幸村の視線の先にいたのは………
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死音心音2.0(プロフ) - 仁王彩香さん» コメントありがとうございます!!はい、これからも頑張らせていただきます!! (2020年5月23日 14時) (
レス) id: 2a5e77e557 (このIDを非表示/違反報告)
仁王彩香 - 初めまして作品見ました^ - ^続きの更新頑張ってください！！ (2020年5月23日 12時) (レス) id: 9f5e24e49c (このIDを非表示/違反報告)
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