柘榴が二十三粒 ページ25
仁王「っと、俺達も次に行くとするかの」
柳生「そうですね。幸村君、行きましょうか」
幸村「あ、うん…」
さっきの事もあり、幸村は下にいるAが気になったが、頭を振って思考を切り替えて柳生達の後を追った
暫く道を戻ると、中庭前の廊下に戻ってきた
幸村(あれ、戻ってきちゃった)
柳生「次にご案内するのはこの先です」
仁王「柳から客室に案内するよう言われとったんじゃ。其処でゆっくり休みんしゃい」
幸村「いいのかい？じゃあ、お言葉に甘えようかな」
暗い廊下を駄べりながら歩き続け、階段を上がると三人は大きな部屋の前に到着した
扉は両開きで細かい装飾が施されており、地上にある神々の神殿とは違う趣きがあった
言ってしまえば、地上の神々は恐らく読者の皆が想像する大理石で出来た物だが、Aの館は現代ドイツの大きな屋敷の様な感じだろうか
柳生「此処が客室です。普段から掃除はしていたので大丈夫だとは思いますが、何かあれば言ってくださいね」
幸村「うん、ありがとう」
柳生達はそう言うと、客室から出て行った
それを見送って、幸村は改めて部屋の内装を見た
壁紙や絨毯は暗い色で揃えられていて、部屋全体に上品な雰囲気を醸し出していた
扉正面の少し大きめの窓には真紅のビロードカーテンが掛けられており、カーテンを開き外を見ると下にある中庭が見える
入って右側の隅には小さな書き物机と本棚、反対側には大きなベッドとサイドテーブルがあって、扉から隠れた位置にクローゼットがあった
そして本棚には恐らくエリュシオンやエレボスにいる作家の作品が並んでおり、客人が退屈しないようにとするAの優しさが垣間見える
そんな客室の内装は、まるで現代のホテルのようだった
幸村はまず本を手に取り、ベッドの上で読むことにした
そして寝具の柔らかさに驚くと同時に、その心地良さに頬を緩めた
漫画的表現にすると、背後に花が出てくる感じだ
そうやって客室での読書を満喫していると結構な時間が経ったのか、庭に降り注ぐ僅かな光がほんのりと橙色に染まっているのに気が付いた
幸村「わっ、もうこんな時間なんだ。……ん？」
窓から裂け目を見ていると、ふいに庭に居る人影を見つけた
そしてその影の正体が分かった途端、幸村は部屋を飛び出た
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死音心音2.0(プロフ) - 仁王彩香さん» コメントありがとうございます!!はい、これからも頑張らせていただきます!! (2020年5月23日 14時) (
レス) id: 2a5e77e557 (このIDを非表示/違反報告)
仁王彩香 - 初めまして作品見ました^ - ^続きの更新頑張ってください！！ (2020年5月23日 12時) (レス) id: 9f5e24e49c (このIDを非表示/違反報告)
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