柘榴が十九粒 ページ21
幸村「そんな！許すも許さないも、俺は最初から怒ってないよ」
柳生「そうなんですか？」
幸村「うん。一度に色々な事があって、ちょっと吃驚してただけ」
柳生「そうでしたか…いや然し、それでも……」
幸村「もう大丈夫だから、ね」
柳生「…はい」
大丈夫だと言う幸村の気持ちが通じたのか、柳生は何も言わなかった
それ以上、謝るのは野暮だと思ったのだろう
幸村「そういえば、此処の花はさっきの彼が世話をしているのかな？」
仁王「いや、彼奴は剪定係じゃ。基本はハデス王自らが可愛がっとるんじゃが、仕事でどうしても手が離せん時は俺達が世話しとる。ほら、どの花は皆綺麗に咲いとるじゃろ？」
そう言って仁王は、近くに咲いていたスターチスを幸村に見せた
真っ直ぐと伸びた茎の先に、青と紫の小さな花が可愛らしく咲いていた
幸村「ほんとだ、凄く綺麗…でも、これって確か5月から咲く花だよ？今って12月だよね」
力強く咲く花を見て、幸村は少し疑問に思った
彼の言う通り、スターチスは5月から7月にかけて開花する
然し今は12月。然し庭にはこの花以外にも今ではない月に咲く花が咲いていた
仁王「お、よう気付いたのう。その通り、これは今咲かん種類じゃ。さて、ここで問題じゃ。何故此処の花は時期を問わずに咲く？」
幸村「え？えっと……此処が地上と違うから？」
柳生「そうです。此処は上と違い、気温や湿度が一定を保ったままあまり変わりません。ですので、一度に様々な植物が育つのです」
冥界は湿度が低く、気温も少し低い
然しながら花がよく育つよう、天井にある裂け目から地上の日光が降り注いでいた
この裂け目はAが冥府の王に就任した時、花の為にと裂いたもの
この庭は所謂 現代の温室のような仕組みになっていて、一年中花が咲くようになっている
幸村「成る程…ちょっと羨ましいな」
柳生「ふふ、そうでしょう？この庭は冥府でも数少ない地上の方に自慢出来る場所なんです」
幸村「数少ない、ってことは他にもあるの？」
幸村がそう聞くと、二人は待ってましたと言わんばかりに身を乗り出した
柳生「はい！これを機に、是非とも冥界を知って頂きたいのですが、少しご説明しても？」
幸村「面白そうだね。聞いてもいいかな？」
柳生「勿論ですよ！仁王君！」
仁王「合点承知なり」
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死音心音2.0(プロフ) - 仁王彩香さん» コメントありがとうございます!!はい、これからも頑張らせていただきます!! (2020年5月23日 14時) (
レス) id: 2a5e77e557 (このIDを非表示/違反報告)
仁王彩香 - 初めまして作品見ました^ - ^続きの更新頑張ってください！！ (2020年5月23日 12時) (レス) id: 9f5e24e49c (このIDを非表示/違反報告)
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