柘榴が十八粒 ページ20
此方は、柳が丸井に連れて行かれたすぐ後の冥府
幸村は柳生と仁王に案内され、館にある庭に辿り着いた
着く頃には三人は仲が深まり、幸村の敬語も抜けていた
幸村「わぁ、凄い！」
柳生「此処が庭になります。少々危険な毒草等もありますので、ご注意を」
幸村「分かったよ。…ん？彼は？」
幸村が花壇に目を向けると、近くの樹木を手入れしている男を見つけた
柳生「あぁ、彼は此処の庭師です。名はアスカラポスといいます」
幸村「そうなんだ。こんにちは」
ｱｽ「どうも」
幸村に挨拶され、アスカラポスはニコリと笑みを浮かべた
然しその笑みに、幸村は何となく違和感を感じた
胡散臭いというか、裏があるというか…
以前に猫を被って近付いてきたニンフや女神達に似ていると、幸村はそう思った
ｱｽ「では、私はこれで」
柳生「はい。お疲れ様でした」
庭を出たアスカラポスを、幸村は無言で見送った
柳生「どうかしました？」
幸村「いや……そういえば、此処はどんなの花が咲くの？」
仁王「そうじゃのう、俺達が知っとる限りじゃと勿忘草、カタクリ、デルフィニウム、矢車菊、藤…あぁ、水仙もよく咲いとる」
幸村「水仙？」
仁王「そう。水仙は俺達の主、ハデス王の象徴。他にも、糸杉や豊穣の角もシンボルじゃな」
幸村「そうなんだ」
幸村は仁王の話を聞き、目の前に咲く花々を見た
青、水色、紫、黒……前に言われた通り、寂しい色の花しか咲いていない
唯一、白い水仙だけを除いて
そんな水仙を見て、幸村は少し目を逸らした
自分が攫われた原因の一つでもある所為か、今はあまり見たくないらしい
柳生「…落ち着きましたか？」
花を見ていた幸村に、柳生はそう話し掛けた
幸村「え？」
柳生「此処に来るまでの貴方は、不安でいっぱいだといった感じでした。ですが、今は不安も消えたような面持ちをしています」
幸村「そ、そんなに分かりやすかったかな…？」
少し恥ずかしそうに、幸村は自分の顔に手を当て顔を伸ばした
柳生「確かに私達の主は、貴方に対して無礼を働きました。…ですが、どうか許してやってください。元はとても優しく、良い王なのです。こうなってしまったのも事故と言いますか……」
Aを許してもらおうと、柳生は必死に幸村に訴えた
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死音心音2.0(プロフ) - 仁王彩香さん» コメントありがとうございます!!はい、これからも頑張らせていただきます!! (2020年5月23日 14時) (
レス) id: 2a5e77e557 (このIDを非表示/違反報告)
仁王彩香 - 初めまして作品見ました^ - ^続きの更新頑張ってください！！ (2020年5月23日 12時) (レス) id: 9f5e24e49c (このIDを非表示/違反報告)
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