【文スト】同性、しかも上司に恋をしました【男主】

20.第拾漆話 ページ20

横光「やっと終わった…
川端、お疲れ様」


川端「…(ｺｸｯ」


康成は利一の言葉に静かに頷くと、さりげなく

利一の肩に頭を乗せた


横光「お二人もお疲れ様です」


吉川「嗚呼！お前達もな！」


英治はそう云うと、労いの意味を込めてか

二人の頭を力強く撫でた


撫でられている二人は、それに驚き乍も少し

嬉しそうにしていた


貴方『楽しそうなのは良いが、そろそろ行くぞ』


俺がそう言って鍵を持つと、三人は慌てて

部屋の外に出た


俺は機材の電源を全て落としたかを確認して、

最後に部屋の照明を消して出た


横光「Aさん、今回の目当ての店は
どういった処なのですか？」


貴方『基本は居酒屋の様な処だが、
取り扱っている酒の種類が多くてな。
日本酒の類いは勿論、ワイン等の洋酒も数多く
それ等にあったつまみも用意されているらしい』


吉川「ほう、随分と詳しいんだな」


貴方『まあな。前々から気になってて、
何回か入ったことがあるんだよ』


まあ、それも中也さんと行く為だったんだがな…


そうやって三人と談笑している間に、俺達は

出入り口に着いた


その近くに目を凝らすと、龍と銀がいた


横光「お二人共、早いですね」


貴方『悪い、待たせたか？』


芥川「いいや、今来たところだ」


そう云った龍の少し後ろでは、銀が頷いていた


すると、利一の横にいた康成が前に出て

銀をじっと見つめた


それに気付いた銀は、康成に軽く頭を下げた


無口な者同士には分かる会話なんだろうか……


貴方『ところで、一葉はどうした？
まだ来ていない様だが…』


芥川「心配せずとも直に来る」


龍がそう云うと、打ち合わせでもしていたかの

様なタイミングで、一葉が此方に走って来た


芥川「僕の云った通りだろう？」←


貴方『お前等、打ち合わせでもしてたのか？』←


樋口「？」


何のことかと云いたげな一葉を横目に

他の人を待っていると、梶井と一緒に

中也さんがやって来た


中原「悪ィな、遅くなっちまった」


貴方『いえ！そんなことはありませんよ！
俺達も今来たところです。な？』


俺がそう問い掛けると、他の奴等も同意する様に

頸を縦に振った


中原「そうか？なら良いが…」


貴方『はい！じゃあ、そろそろ行くとしますか』


その言葉を合図に、俺達は目当ての店へと

足を進めた



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