【文スト】同性、しかも上司に恋をしました【男主】

17.第拾肆話 ページ17

横光「…事情は分かりました。
では、俺達もご一緒させて頂きます」


川端「…(ｼﾞｰ」


横光「川端もこの通り、｢話位は聞きます｣と
云ってますので…」


貴方『嗚呼…そうだな』


俺はそう云うと、両頬を叩いた


二人はその音に驚いたのか、肩が少し跳ねた


貴方『よし！気を使わせて悪かったな、二人共。
今日は俺の奢りだ、楽しみにしておけ！』


横光「はい！(これでこそAさんだ。
戻って良かったな、川端)」


川端「…(ｺｸｯ」


二人の間で、そんな会話がされていたなんて

俺は気付く筈もなかった


貴方『そろそろ龍も帰ってきてるだろう。
じゃあ俺、龍を誘ってくる』


横光「はい、お気を付けて」


二人に見送られながら、俺は部屋を出た


さて、龍を探しに行くとしますか


今は1時25分…この時間帯は大体、

地下の訓練所に入り浸ってる筈だ


彼奴はな、自分の異能を磨くのに没頭し過ぎて

食事を取り損ねる、なんてこともよくあるんだ


力をつけるのは結構だが、自己管理が出来てない

のは褒められたもんじゃねぇな


太宰さん、なんで彼奴にそんな大事な事を

教えてやらなかったんですか…←


まあ、居ない人に愚痴を云っても仕方ないか


そう頭の中で自己解決している内に、

訓練所の前についた


そして俺は、目の前にある鉄製の扉を開け

中に入った


中に入ると、丁度 訓練を終えた龍と目があった


貴方『よお、龍。お疲れさん』


芥川「む…なんだ、Aか」


貴方『なんだって何だよ。
お前、昼飯まだ食ってないだろ？どうだ』


芥川「嗚呼、いいだろう。共に食ってやる」


そう云って、龍は口元に薄く笑みを浮かべた


貴方『ははっ、そりゃどうも。
あ、そうだ。お前に聞きたいことが…』


そう云いかけた時だ


扉が開き、｢先輩！｣と大声が聞こえた


扉の方に目をやると、タオルを持った若い女が

立っていた


芥川「樋口…」


貴方『お、一葉じゃねぇか』


彼女の名前は樋口一葉、龍の後輩であり

俺の友人だ。因みに俺は、一葉と呼んでいる


樋口「Aさん！お久しぶりです」


貴方『おう、久しぶり』


芥川「樋口 貴様、この様な所に何の用だ」


樋口「あっ、いえ！用と云いますか…
先輩が此処に居ると聞いて、タオルでもと……」


芥川「そうか…礼を云う」


樋口「！い、いえ！礼と云う程では…」



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