神童から見せられた『画像』 ページ35
貴「：：：」
神「：：：」
何故、私は神童と二人で屋上で無言で見つめ合っているんだろう。
さっき、
神「話がある。屋上で話そう」
と、いきなり言われた私。別にここでもいいだろうと言おうとしたのだが、すぐに神童が屋上へと行ってしまったのだ。
益田さんに少し睨まれていたが、しょうがないとあきらめていくことにした。
それが今の現状である。
貴「え、えっと：：：」
私は無言に耐えきれなくて、自分から話しかけようとすると神童が、ポケットから携帯を取り出す。
人を呼び出しておいて携帯をいじるの？
あきれていると、神童が私に向けて携帯のある画像を見せた。そこには、
神「この後ろ姿：：：お前だろ？」
貴「！」
それは、海辺で並んで歩く聖帝と私の姿が映し出されていた。
嘘だろ？と私は神童の持っている携帯に顔を近づける。その画像は間違いなく、私が映っていた。
ありえない、何で？
神「『清美』から送られてきた画像だ。これは間違いなくお前だ。だろ？」
益田さん？
そうか、益田さんが：：：くそっ。
私は思いっきり地団駄を踏んで、舌打ちをして爪を噛む。
神「お前みたいだな」
貴「：：：否定しないよ」
ここで否定をしても、証拠の写真は神童の手元にある。
それにまだ、益田さんも持っているはずだ。私が消したくても消せないだろう。
まさか、こんなにも早く私を立場を危うくしようとするなんて：：：思いもしなかった。
神「お前、本当に雷門：：：いや、サッカーを取り戻しにやってきたのか？」
貴「？」
神「本当は、サッカー自体を潰しに：：：その根本となる雷門を潰しにきたんじゃないのか？」
いや、『違う』。
そう言いたいけれど、これは聖帝と私だけの秘密でもある。
しかもここで話をしてしまっては、物語に影響してしまう。今は黙っている事しか出来ない。
そんなだまっている私に神童はしびれを切らしたのか、携帯を持っていない方で私の肩を強く掴んで勢いよく揺らした。
神「だまっていないで説明しろ！」
神童の掴む手から、怒りが感じられる。
神「少しでも信じてやろうと思っていたのに！」
貴「！？」
神「お前の！：：：あの時の言葉は『偽り』だったのかよ！」
涙を流す神童。
私は：：：神童の涙を拭いながら、言った。
貴「私をすぐに信じなくてもいい：：：私にも貴方に隠している事はたくさんある。けど、これだけは信じて：：：
サッカーを助けたいのは本当だよ？」
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作者名：keito | 作成日時：2015年5月18日 0時
