暗殺教室～男装少女はマフィアのボス？～短編集 (ページ24)

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『カーチェイス』　＃３ページ24

ア「相手側の情報は？」

貴「ルイとルノによって確認済みだ。全員で４人：：：俺達より少ない。２人ずつで行動し、そのもう二人が俺達を殺しに来る」

ア「大丈夫でしょうか？」

貴「それは大いに大丈夫だ。その殺し屋達は俺達みたいに公式に依頼を受けていない。どうやらそいつらは数々と失敗を繰り返しているらしく、依頼を受けたくても受けさせてもらえないんだ」

ア「つまり、野良の殺し屋ですね」

貴「そう、殺しの教育を受けて来なかったヤンキーと同様だ」

僕はその言葉に不敵な笑みを浮かべる。

ア「何もかも僕達より劣っている。つまり、僕達が苦戦する相手ではない」

貴「ああ、だからアレッタ：：：」

後ろから、尭様から発せられた言葉に僕は無邪気に笑う。

ア「本当、尭様らしいや！」

貴「ん？」

ア「いいえ、なんでもありません」

僕は弾倉に弾を込めながら、後ろから近付いて来る車の音に耳を澄ます。

聞こえる。とても荒々しい車の運転をする奴らだ。その音が急に近くになった時、僕は天窓が開いた所に体を持ち上げ、ライフルを天井に固定させる。

スコープを覗いて照準を合わせた。

貴「前の皆に迷惑はかけんなよ？」

ア「ええ：：：」

僕はトリガーに手をかける。さあ、来い。僕達の計画を邪魔するものは：：：許さない。

ア「分かってますよ！」

トリガーを引いた途端、ノズルから弾が連射される。体に振動が伝わってくる。体が震えながらも照準は向けたままだ。

暗い中で、後ろの車に火花が散る。想定外だったのだろう。いきなりの銃撃に車は蛇行運転をし始めた。

一旦止めると、蛇行運転が治まった。だが、これは終わりじゃない。

ア「お怒りですね。あれ」

相手の車がスピードを出して来た。尭様がインカムで烏間先生に銃撃が始まった事を知らせる。

そして、

貴「よし、俺達もスピードを出すぞ」

尭様がアクセルを目一杯踏み込んだ。僕は車の中に戻って次弾装填を行う。

貴「次弾装填完了！１０秒前！」

カチッと弾を込めたライフルを持ち直す。二つの車の横を通り過ぎてスピードをどんどん上げて行くのが見える。

すると、追いついて来たのか相手の車が横についてきた。

貴「：：：アハハハ！」

ア「どうしたんですか？」

貴「ライフルに拳銃で挑むとかありえねえええ！」

隣の窓を見ると、拳銃を握ってこちらに向ける男の姿が映った。

そして分かった。こいつらが捨て駒でしかならない事が。