暗殺教室～男装少女はマフィアのボス？～短編集 (ページ21)

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『ロシアンルーレット』　　＃２ページ21

貴「じゃーん！」

と、ボスが自ら手作りして持ってきたのは『シュークリーム』。僕とルイが好きな食べ物である。

僕らに合わせてくれたのは嬉しかったけど：：：逆にわさびが大量に入ってるのを僕らどっちかが食べたら絶対に嫌いになるだろう。

ルノ「：：：これは」

ルイ「わああ！」

貴「ルイとルノの好きな食べ物にしておいたぜ！間違ってわさびが入ったシュークリームを食べて嫌いになったらごめんな？」

あ、それはヴェル姉でも予想してたのか。

事前に謝っておいて被害を小さくしようとしているのか：：：小賢しい。ヴェル姉には失礼だけど、小賢しいな。

セ「被害小さくしようとか小賢しい事するな。ヴェル」

貴「よし、セルのお茶は強制的に熱湯にする」

セ「ご、ごめん！ごめん！今の取り消すから普通のお茶にして！」

読者の皆さんから見たら、きっと単なる日常じゃないかと思うぐらいに、この空間は平和に包まれている。

けれど、これは僕達にとっては非日常で：：：僕らにとっては人を殺すのが日常な訳だ。

そんな日常のストレスを、ボスはこんな非日常で補おうとしている。一番忙しいのは、ボスなはずなのに。

貴「よし、じゃあ皆。それぞれ好きにシュークリームを取れ！」

普通は有り得ないんだよね、こういう事。

元々、僕にとってのマフィアのボスのイメージは一般的なイメージと似ていた。煙草を吸って、椅子にドカッと座るイメージだ。

威厳とか怖さとか：：：もちろん、ボスも威厳とか怖さとかはある。度胸も。

ルイ「じゃあ、私はこれにしますです！」

リ「じゃあ、私はこれを」

セ「俺はこれにするぜ」

貴「じゃあ、俺はこれ！」

：：：言わなくても、分かるよね。僕は皆を見てクスッと笑い、最後のシュークリームを手に取る。

さて、誰が当たるかな？

貴「せーの！」

全「「Buon appetito! (いただきます！)」」

貴「かっら―――――――――――――――――――――――ー！！」

だと思った。