ワープ開始 ページ8
僕を必要する理由、それはワープ時の皆の体への重力の負荷を軽減させる為に壁を作って欲しいという事だった。
もちろん、ワープの妨げにならないようにだ。結構無茶苦茶な要求にも見えなくもない。
拓「ケイディス：：：」
ケ「神童君？」
ワープゾーンに入る為の準備に先程の場所へと戻って行く僕達。他のメンツが好奇心のように僕を見ている中、神童君が小声で話しかけて来た。
拓「大丈夫か？：：：螢も」
僕の事を心配してくれていたようだ。そして、螢の事も少し恥ずかしそうにしながら心配してくれた。
どうやら、螢に対して好意は持っているようだ。別に僕は彼らをくっつけようとは思ってはいなかったがやはり、『運命の二人』なのかな。
ケ「ありがとう、神童君。螢も大丈夫」
拓「：：：そうか」
ケ「：：：何、螢の事心配？」
拓「な！」
僕が冗談半分で笑いながら言うと、神童君がわなわなと赤面しながらち、違う！と否定した。
その姿に、僕はタクオスの面影を思い出す。
ケ「：：：」
拓「な、何だじっと見て」
ケ「いや、さすがタクの生まれ変わりだな〜って思ってさ」
会いたい、会って抱きしめたい。あの時：：：タクを犠牲にさせない為に自分を犠牲にした事を後悔している。
どちらかを犠牲にしなくてはいけなかったとはいえ、彼女を悲しませてしまった。
ケ「早く会いたい：：：」
拓「：：：」
ケ「会ってちゃんと彼女の目を見て謝りたい：：：悲しませてごめんねって」
拓「：：：『ケイ』」
――――――――――――――――ー
ワープの準備が整い、皆が着席にした所で僕は部屋の中心に静かに立った。
み「では、お願いしますよ。くれぐれも「君に言われなくても」」
ケ「彼らを安全にワープさせてあげる：：：」
貴『ケイディス、無理しないでね』
心配してくれてありがとう、螢。
僕は小さく微笑んで目を閉じ、胸の前で手を組む。
ケ「『我、彼等の身を守りたもう』」
僕は組んでいた手をゆっくりと離すと、その中から光り輝く球体が現れる。周りには紋様が球体の周りをまわっている。
僕が、両手を大きく広げるとその球体は僕の手を超えてギャラクシーノーツ号を包みこんだ。
ア『ワープ開始します』
アナウンスと共にワープゾーンに突入する。突然の重力に皆が顔を顰める中、僕は真っ直ぐに前を見据えていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：keito | 作成日時：2018年1月10日 10時
