正体と彼の真撃な思い ページ5
鉄「密航だと？」
さ「思い切った事やるわね〜」
信「ごめんなさい：：：」
その正体は、雷門中サッカー部の天馬の友人・西園信助君だった。背は好葉と同じぐらいに小さい。
それにしても：：：、
貴「でも、君の根性すごいね。私だったら絶対に無理だよ！」
信「僕：：：どうしてもイナズマジャパンのメンバーになりたくて」
そっか、そうだよね。今まで忘れていたけど：：：私達以外にいた選手達は、サッカーの世界大会に出場する為に頑張って来た。
けれど、この大会は違う。獣の力を持つ者ではないと出場出来ない。
貴「そっか：：：」
私じゃなくて、この子だったら良かったのに：：：。
ケ『違うよ、螢』
頭の中から聞こえるケイディスの声。私は何で？と問いかける。
ただ獣の力を持って(私は持っていないけれど)いるだけ、それだけでサッカーに出場出来て一生懸命サッカーをしてきた人達はその力を持っていないだけで資格は無い。
そう思うのは当たり前じゃない？
ケ『君はこのチームに必要不可欠だ。だから君は選ばれた』
ケイディスを宿しているからじゃないの？きっとそうだよ。
ケ『確かにそれも一つだと思う。けれど、君は本当に必要とされている意味をまだ分かっていない』
え？
ケ『それは君が分からないもので、相手には分かるもの：：：』
それが分かればきっと君も分かる：：：そう言ってケイディスの声が遠のいていく。私が『必要』とされる意味は自分では分からない。
相手には分かる：：：か、羅針盤の時もそうだけどヒントだけ残して行く事多くなってきているよね、ケイディスって。
自分で考えろって意味だろうけどね。
すると、入り口から黒岩監督とみのりさんがやって来た。
天「監督：：：信助も一緒に行かせてやって下さい！」
信「お願いします！何でもしますから！僕も連れて行って下さい！」
彼の想いが言葉となって皆の耳に伝わる。もちろん、私も：：：。
天「監督、俺からもお願いします！」
黒「：：：」
貴「あの：：：私からもお願いします！」
彼の真撃に、私は黒岩監督の方へと一歩歩み出た。皆が驚いて私の方を向く。
天「螢：：：」
信「愛原さん：：：」
貴「西園君、きっといっぱい練習を頑張ったんだと思います。きっとアースイレブンの戦力になってくれます！」
いや：：：なる！絶対に。
私の心には揺るがない確信がそこにはあった。
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作者名：keito | 作成日時：2018年1月10日 10時
