心配と自然な笑顔 ページ3
蒲「はい、昼食！ギャラクシーノーツ号特製だよ〜！」
貴「：：：」
宇宙から出発してから初めての昼食。食べ物に関しては一番メンバーの中で食べているであろう螢の様子が先程からおかしい。
向かいに座っている俺は少し心配で俯いている螢に一言話しかける。
拓「螢、大丈夫か？」
貴「え？」
拓「元気がないように見えたが：：：熱か？」
話しかけて来た俺にびっくりする螢。また熱が出たのかと思ったがどうやら違うらしい。
きっと宇宙でサッカーをする事に整理でもついていないのだろうか？
それとも：：：、
貴「ありがとう、神童：：：えっと」
お礼を言ったかと思うと、螢が頬を掻きながら言いずらそうにしている。何か俺に聞きたい事でもあるのだろうか？
拓「どうした？」
貴「いや：：：知らない内に私へのよび方が名字から名前になったのに驚いてさ」
拓「：：：嫌か？」
貴「い、いや嬉しいよ？めちゃくちゃ嬉しい！」
ちょっと意地悪をして悲しそうな顔をしてみた俺に慌てて手を振って訂正する。少し恥ずかしかっただけと語る彼女。
ただ下の名前に呼び換えただけなのに恥ずかしそうに笑う彼女がとても愛らしいと感じた。
拓「じゃあ：：：俺の呼び方も『拓人』にしてみないか？」
貴「え！？」
拓「せっかくだ。お互い、名前呼びにしても良いじゃないか？」
顔を真っ赤にしながら頑張って俺の名前を呼ぼうとする彼女に俺は笑みを浮かべながらその言葉を待つ。
すると、
貴「拓：：：拓、人？」
絞り出したように名前を呼ぶ螢。口には出さないが、俺にとって結構名前で呼ばれる事は嬉しかった。
きっとこうやって名前を恥ずかしそうに呼んでくれるのは俺以外には絶対にしないと思ったから。
貴「あ――ー、もう！良いでしょ？早く昼食食べよう！」
拓「：：：ハハッ、そうだな」
貴「もう〜：：：フフッ」
やっと、螢に自然な笑顔が戻ってきた。それを確認出来た俺はお皿にあったトマトを口へと運んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：keito | 作成日時：2018年1月10日 10時
