これまでとは違うこと ページ11
何だろう、懐かしい名前な気がする。でも、記憶にない。
貴「：：：」
けれど、彼を見ているとどこかで会ったような気もする。何というか：：：ずっとずっ――ーと昔に。
貴「ねえ、イシガシさん」
イ「はい、何でしょうか？」
貴「私達、どこがで会ってたり：：：し」
しないよね〜、真剣に聞くのも馬鹿馬鹿しい気がして苦笑いをしながら聞いた。相手から見れば、何だこいつ状態だもん。
私の予想通りイシガシさんは先程みたいに驚く様子はなく静かにこう答えた。
イ「いいえ、これで初めてだと私は思います」
貴「だよね：：：うん、ごめんね」
私とイシガシさんの間に静かな空気が流れる。じっと私を見据える彼に、私は気まずくなって目を逸らした。
拓「：：：」
貴「えっと：：：それで何だっけ？」
イ「はい、皆様には試合まで行動の自由が約束されています。それまで町を歩かれては？」
おお！やいいね、と皆がその提案に賛成する。町を歩く事出来るんだ：：：どんな物があるんだろう。
貴「やったー！じゃあ、さっそく「お待ち下さい」え？」
イ「貴方様はこれを：：：」
イシガシさんはそう言って、私の前に茶色い四角に折り畳まれた物を差し出した。服？そう思い広げて見るとそれはマントだった。
貴「マント？」
イ「万物の神の生まれ変わりである貴方はとても恐れられています。ほとんどの者が貴方の事を知っています」
貴「恐れる：：：あ、そっか」
予選ではケイディスの事を恨んでいた宇宙人もいた。それは恐れているから：：：だから、生まれ変わりである私を潰そうとしていた。
予選の時の宇宙人が知っていたのなら、惑星に住んでいる彼等も分かっているはず。
イ「地球人はあまり良く思われていない故、貴方はそれ以上に恐れられている。ある者は追い出そうとするかも知れません」
貴「その為に身を隠す？」
イ「はい、他の惑星での時もこのマントは必ず身に着けて下さい。絶対に外してはいけません」
それは私が姿を見せない限り、私の身の安全上は保障されるという事だ。
地球は安全だった、でもこれからは違う。
貴「：：：分かった」
納得出来る部分、出来ない部分はあるけど他の皆に自分の事で迷惑かけたくないから。私は茶色いマントを被った。けど、
貴「あ、あれ？」
拓「不器用すぎか！」
不器用すぎてマントの紐を縛るまで時間がかかってしまった。
イ「私がやりましょう」
貴「：：：お願いします」
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作者名：keito | 作成日時：2018年1月10日 10時
