プロローグ４ ページ2
『宇宙の羅針盤』、それはこの世には存在する事はない神秘の羅針盤。
それを持つ者、それを操れる者は『ある条件』を満たした者だけ：：：。
貴「これが？」
ケ『そう』
貴「この世に存在しないって：：：してんじゃん」
地球から出発してから、私は自分の部屋で透けているケイディスの向かい合っていた。それは、私の首から下げている『腕輪』の事だ。
これは、『宇宙の羅針盤』と呼ばれているらしい。全然羅針盤らしい形は見られないけど。
ケ『この『腕輪』は羅針盤の仮の姿だ。本物はとても大きいよ』
貴「見た事あるんだ。この羅針盤の本当の姿：：：」
ていうか、これどうやって羅針盤にさせるの？というとケイディスは首を横に振った。ケイディスが腕輪に向かって手をかざしても何も動かない。
貴「いや、手をかざしただけで動くなんてある訳ないでしょ。超能力者じゃあるまいし」
ケ『いやいや、僕神様だし。君の怪我を治癒する時も手をかざして治したでしょ？』
貴「：：：そっか」
ケ『一つのもので開けられなければ、二つのもので開けてみるべし：：：ってね』
と、人差し指を上げてウインクをするケイディス。一発腹に入れてから横たわるケイディスを見て顎に手を当てて考えてみる。
というか、
貴「別にヒント言わなくても、ケイディスは開けた事あるんでしょ？なら、直接私に開け方を教えてくれても良いじゃない？」
ケ「それはダメ」
貴「自分で解いて開ける事が大事なの？」
ケ「『宇宙』の羅針盤はね、人の思いに敏感なんだ。ただ開けたいなんて軽い思いでは絶対に開かないよ。『宇宙』の羅針盤はね：：：生きているんだ」
ケイディスの表情と言葉に嘘は：：：ない。そんな簡単に開けられる物じゃないのだと分かった。
けど、
貴「本当にこの『宇宙』の羅針盤は私を守ってくれるの？」
ケイディスはゆっくりと深く頷いた。
ケ「君はちゃんと分かっているはずだよ。ただ今は気付いていないだけ：：：それに気づいた時、『宇宙』の羅針盤は答えてくれる」
天『お〜い！螢！昼食だよ〜！』
ドアの向こうから天馬が私を呼びかける。じゃあまた後で、と言おうとケイディスの方へ振り返った時にはいなかった。
貴「：：：『螢〜！』は〜い！ちょっと待って！」
そう言って私は、ドアを開けて部屋から出て行った。
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作者名：keito | 作成日時：2018年1月10日 10時
