怪盗ジョーカー～満月の怪盗～２【スペード】 (ページ10)

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Je ne pardonne pasce type(私はあいつを許さない) ページ10

貴「：：：何故貴方が私の名を知っているの？」

不敵な笑みを浮かべるシャドウ・ジョーカーに私は自分の胸倉を抑える。

まるでさっきから嫌な予感がしていたのが、本当になるような気がして止まない。

心拍数がさっきよりも早いスピードで上がって行く。

シャ「知りたいか？何故、俺がお前の名前を知っているのかを」

貴「：：：」

シャドウ・ジョーカーの挑発的な言葉に私は無言を貫き通す。ここで答えてしまったら、目の前で何かを失いそうな気がしてならないから。

ス「ハート？」

キングの問いにも答えず、ただただ無言を貫き通す私。

そんな私にイラついたのか、シャドウ・ジョーカーは私にある物を見せようとマントを翻す。

そこには、

シャ「無言を貫き通すお前に問う、こいつは誰だと思う？」

貴「：：っ！」

ス「ア：：：アルタ：：君？」

口から血を吐きながら、体中が血だらけにして床に倒れているアルタがい：：：た。

その姿を目に瞬間、私の『何か』がはじけ飛ぶ。

シャ「こいつは、俺がお前の事を知っている事を分かっていたぜ？」

許さない、

シャ「にしても、こいつ超能力を使う割には弱かったぜ？」

許さない、お前を：：：

シャ「何故、こいつをこんな風にしたかって言う顔をしてるな？」

許さない、許さない、許さない、許さない！

シャ「『あいつ』の命令だよ。お前が憎む：：：」

貴「！」

シャ「お前の『父親』からの命令だ」

『父親』、私を狂ったように愛する男。

貴「あ：：：郎」

シャ「あ？」

そして、私が最も憎む相手。自ら母親を殺した男。

あいつだけは一生かけても許さない、そう心に決める程：：：あいつが憎い。

憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い！

貴「！！」

ス「ハート！やめろ！」

キングの制止も聞かず、私はシャドウ・ジョーカーへと我を忘れて走り寄って行く。

そして、

シャ「な！」

シャドウ・ジョーカーの首筋へとトランプを：：：立てた。出来るだけ首に食い込むように、けれど怪我をしないように。

貴「『シアン』：：：」

シャ「！？」

貴「私はお前を許さない、そして『あいつ』を許さない。『あいつ』の何もかもを許したくない。そして：：：」

そして、私は『あいつ』に似た狂ったような不敵な笑みでシャドウ・ジョーカーに顔を近づける。

貴「お前も許さない：：：」