怪盗ジョーカー～満月の怪盗～２【スペード】 (ページ20)

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Le coeur doux a etre transmis d'une abeille(ハチから伝わる優しい心) ページ20

ハ「ハートさん、お料理上手ですね！」

貴「ううん、ハチの方が料理が上手だよ。私が料理をする時は、アルタが動けない時ぐらいだからね。料理のレパートリーは少ないよ」

ス／ジョ「「：：：」」

ハチと話しているだけなのに、キングとジョーカーが睨むように私達の方を見ている。逆に迷惑なんですけど。

ハ「怖いっすね。ジョーカーさんとスペードさん」

貴「何かごめん：：：」

ハ「え、何で謝るんですか？」

ハチは、私が謝罪する事に違和感を抱いたようだ。何でだろう、別に自惚れてるわけじゃないんだけど。

貴「前に、二人が私に『好き』って告白して来てね：：：ハチが私の話しているのが気に入らないんじゃないかって思ったんだ」

ハ「はあ、二人共やりますね～」

貴「私がハチと話したいだけなのに、何故かハチが悪者にみたいになっちゃったからさ」

私が苦笑いをすると、それは違うっすよとハチは否定した。私が驚いてハチの方に向くと、ハチははにかみながら笑いかけた。

ハ「それぐらい、二人がハートさんの事を好きってことですよ。あまり悲観的に取らないで下さい。別に、僕は睨まれても大丈夫っす」

貴「それはそれで：：：」

ハ「だからって、ジョーカーさんが弟子である僕をやめさせるとは思いませんから」

貴「：：：そう」

ハチの言葉を聞いていると、私より年下のはずのハチの方が大人っぽい性格をしていると思った。

自分が子供っぽいのかな：：：考え方が甘いのかも知れない。

ハ「あの、一つお聞きしたいんですけどいいですか？」

貴「ん？何？」

ハ「ハートさんは、相棒のアルタさんとはどこで会ったんですか？」

貴「：：：」

アルタとの出会いは、人に話したこともなくて、いや：：：話そうとも思っていなかった。

きっと私達の出会いは、ハチとジョーカー達の出会いよりも『ひどい』ものだったから。話しても、ハチには理解したくないものだと思う。

だから、

貴「：：：「言いたくないならいいんですよ？」」

ハ「どちらにせよ。僕から見ている二人は、とてもいいコンビだなって思っていますから」

そう言われて、ちょっと嬉しくなった私。何故、そう思ったのか聞いてみると：：：意外な言葉が帰って来た。

ハ「まるで、『姉弟』というか『家族』みたいで：：：」

貴「：：：」

『家族』か：：：。