怪盗ジョーカー～満月の怪盗～２【スペード】 (ページ15)

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L'existence la plus importante ?(一番大切な存在は？) ページ15

ア「へえ、そんな事があったんだね。主」

え？あの二人は？

アルタの看病をするため、喧嘩をしている二人は帰らせました。うん、相当邪魔だった。ガチな意味で。

私は引き続き、アルタにお粥を食べさせる。

貴「こんな時に：：：ありえないよね？」

ア「う～ん、僕は二人なりに心配しにきたんじゃないかなって思うよ？」

貴「それは絶対にない！」

ア「即答だね：：：」

だって、私が落ち込んでいる時に口説いて来たんだよ。キングが！普通は有り得ない！

もし、それが私への慰めだとしても私からすれば慰めにはなっていません！

でも：：：、

貴「でも：：：」

ア「？」

貴「でも：：：本当は、キングが来てくれた事は嬉しかったな」

ア「：：：」

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アルタside

お粥の匙を持って、微笑む主の姿は：：：恋をしている女の子、その者だ。僕はその微笑みにそうだね、と呟いた。

ア「主の好きな人：：：だもんね？」

僕がそう言うと、主は顔を真っ赤にさせる。顔を真っ赤にさせる主を見るとやっぱり好きなんだなと再確認させられてしまう。

でも、それは：：：逆に、

貴「？どうしたの？アルタ：：：泣いてるの？」

僕の心に『嫉妬』という感情を覚えさせた。だから、悔しくて：：：男なのに泣いてしまった。

心配させてしまった。

でも、泣いても主は気付いてくれないと思う。僕が：：：貴方を尊敬している：：：そして、

『好き』だっていうことを。

ア「す、すいません：：：」

伝わる筈もない。自分の言葉で伝えなければ：：：その気持ちは伝わらない。

体を動かせない僕は：：：主に、ハンカチで涙を拭いてもらう。男として恥ずかしいよ、これ。

でも、それ以上に嬉しい事は変わりない。

ア「ある：：：じ」

貴「もう：：：どうしたの？あ、分かった。私がアルタから離れちゃうって思ってるの？」

ア「え？」

：：：ほとんど合っているけど、おしい。

結局の所は、僕は主の『相棒』という立ち位置なんだと言われているような気がした。

ア「そ、そうだとおも」

僕は、主の鈍感さに呆れて頷こうと頭を動かそうとしたら：：：体が包まれた。包んだのはもちろん、主である。

貴「アルタ：：：貴方は、私にとって一番大切な存在だよ？アルタがいなければ、私という怪盗はなりたたないからね」

ア「：：：」

貴「ね？」

少し、納得出来ない部分はあるけれど。僕は主の大切な存在である事に嬉しく思った。