桜田君の家にご訪問 ページ8
貴「じゃあ、蒼星石。私は翠星石を探しに行って来るから待っててね」
蒼「うん」
少し元気が無さそうに私を見送る蒼星石。
私は、靴をちゃんと履いてから蒼星石に近付いて蒼星石の目線と同じくらいに屈んだ。そして、自分の左小指を目の前に出す。
貴「もし、私よりも翠星石が戻ってきたら仲直りしなよ?」
蒼「多分、戻ってこないと思う」
う、それを言われてしまうと、約束しようとしていた自分が恥ずかしい。
でも、強情な翠星石ならそういう事も有り得るかもしれない。前にもそんな事があったから。
蒼「翠星石が戻ってこないのは嫌だけど、でも、蒼が帰って来ないのはもっと嫌だ」
貴「え?」
蒼星石はそう言って、私が差し出していた小指を両手で包み込んだ。
私は、蒼星石の驚きの言葉に唖然とする。
貴「ちょ、ちょっと待って。蒼星石にとって翠星石よりも大事なの?違うよね?翠星石が一番だよね?」
蒼「うん」
貴「え、じゃあ:::何で私も?」
私が首を傾げてみると、蒼星石は無表情から小さく微笑んだ。
蒼「蒼も、翠星石と同じぐらい『大切な存在』だから:::」
貴「:::」
その言葉に、私は何故か頬が赤くなってきているのが分かった。
『大切な存在』、一緒に住んでいて:::仲良しっていうだけの関係なのに。
貴「と、とにかく私行くね」
蒼「うん:::」
私は、その場から立ち去る様に扉を開けて出て行った。
蒼「:::蒼」
――――――――――――――――ー
貴「意外と、早く見つかるもんだね」
心当たりのある場所へ、というか桜田君の家へと来た。良く分からないけど、桜田君の家から翠星石が居る気配がしてならないのだ。
しかも、上の窓が割れてるし。
貴「住宅街で、窓を割る。何てありえないし」
私は意を決して、桜田君家のインターホンを押した。休日だから、家の人はいるはず。
?『は〜い!』
貴「あ」
いた、多分桜田君のお姉さんだ。
私は少し一歩下がって玄関が空くのを待つ。すると、ドアが開いて桜田君のお姉さんが姿を現した。
貴「こんにちは、桜田君のお姉さん」
の「あら、蒼ちゃんね。ジュン君に何か用事でもあるの?」
貴「いえ、そういうわけでもないんです。ちょっと「蒼がいるです〜!」翠星石!」
リビングであろうドアを開けて出て来たのは、家出をした翠星石だった。
そして、
ジュ「おい、待:::有田?」
桜田君と久しぶりに顔を合わせました。
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RIN - 蒼星石って女の子ですよね?あれ? (2017年12月10日 20時) (レス) id: a7bd376b17 (このIDを非表示/違反報告)
迷い少女 - 禁断の恋……グッジョブです!keitoさんナイスです!蒼星石私も大好きです! (2017年2月11日 21時) (レス) id: 5455d9796b (このIDを非表示/違反報告)
スズム - 私こんな小説まっていました!続きまってます (2016年9月3日 23時) (レス) id: f5753a9cbf (このIDを非表示/違反報告)
AYURI(プロフ) - keitoさん» (`・ω・´)ゝビシィ (2016年4月12日 17時) (レス) id: ec5663ae21 (このIDを非表示/違反報告)
keito(プロフ) - はい、読ませて頂きます<(_ _)> (2016年4月12日 17時) (レス) id: 5710870048 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:keito | 作成日時:2015年7月6日 17時