三人のお茶会 ページ5
現実とかけ離れた夢の世界。
あの冷たい現実はとても悲しく、夢の中は太陽のようにとても暖かい。
私はそんな夢の中に白いゴシックロリータドレスを着ていた。
周りにあるのは木や、動物などの森。私はその真ん中にある一本道を一人で心を弾ませながら歩いていた。
貴「翠星石と蒼星石はもういるかな:::」
そう、夜にはいつも夢の中で翠星石と蒼星石と私で森の中でお茶会をするのが日課になっていて、二人は私の夢の世界に来てくれている。
これが私にとっての唯一の楽しみである。
貴「フフッ、楽しみ」
フリルのついた日傘を回しながら、森の中を進んでいく私。
そしてすぐに広い場所へと着いた。私が最初に見えたのは大きな大木、大木には小さなつるがいっぱいくっついている。
私は大木を見上げた後、ゆっくりと下へと目線を向けた。そこには、
翠「いらっしゃいませ、お客様。です!」
蒼「よく来てくれたね、蒼」
私より小さいティーセットやパイやお菓子を乗せたアンティークテーブルに、アンティークの椅子が二つ。
その二つは翠星石と蒼星石が座っていた。
貴「うん、お茶会にお招きいただいてありがとう。二人共」
私はドレスの裾を持って優雅にお辞儀をして挨拶をする。二人も私と同じようにお辞儀をした。
そして私は蒼星石達よりも大きなアンティークの椅子に座る。
翠「今日のお菓子は、マドレーヌとクッキーです!私が作ったのですよ。褒めてくれても構いません!」
と、胸を張る翠星石。私は翠星石の頭に手を乗せて、
貴「うん、偉い偉い」
翠星石の頑張りを褒める。翠星石も満更でもない様子だ。
蒼「はい、ミルクティーだよ。蒼はミルクティー好きだよね?」
貴「うん、ありがとね。蒼星石」
そう言って、蒼星石の頭も撫でてあげた。蒼星石は恥ずかしいのか、私から顔を逸らした。
私は蒼星石が淹れてくれたミルクティーを一口飲んで自分の胸の内を二人に伝える。
貴「何か、ごめんね」
蒼「え?」
貴「私のために、お茶会を開いてくれて:::」
翠「当たり前です」
貴「マスターじゃないのに?」
そう、私は二人のマスターじゃない、契約者じゃない。
そんな私をどうして彼女達は仲良くしてくれるのだろうか:::。
貴「私ね、貴方達のマスターになりたい」
けれど、それを言う前に夢は終わってしまった。
33人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
RIN - 蒼星石って女の子ですよね?あれ? (2017年12月10日 20時) (レス) id: a7bd376b17 (このIDを非表示/違反報告)
迷い少女 - 禁断の恋……グッジョブです!keitoさんナイスです!蒼星石私も大好きです! (2017年2月11日 21時) (レス) id: 5455d9796b (このIDを非表示/違反報告)
スズム - 私こんな小説まっていました!続きまってます (2016年9月3日 23時) (レス) id: f5753a9cbf (このIDを非表示/違反報告)
AYURI(プロフ) - keitoさん» (`・ω・´)ゝビシィ (2016年4月12日 17時) (レス) id: ec5663ae21 (このIDを非表示/違反報告)
keito(プロフ) - はい、読ませて頂きます<(_ _)> (2016年4月12日 17時) (レス) id: 5710870048 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:keito | 作成日時:2015年7月6日 17時