双子のドール ＃２ ページ4
貴「ただいま：：翆「蒼〜！」翠星石」
翆「お帰りなさいますですよ〜！」
と笑顔で駆け寄ってきた私より小さい女の子、翠星石。小さい女の子：：：というよりは人形と言った方が正しいであろう。
正式には『アンティークドール』。この子はその『アンティークドール』の一人である。
私は駆け寄ってくる翠星石に両手を広げて待ち構える。翠星石はわー！と言いながら私の胸に飛び込んだ。
そして私は翠星石を抱き上げて頭を撫でてあげる。
貴「ただいま翠星石、でも家の中で走り回っちゃダメだよ？」
翆「は〜い！」
反省しているのか、は分からないけど返事をしてくれたからいいか。
貴「どう、おじいちゃんの様子は？」
翆「：：：」
貴「：：：そう」
私は翠星石を抱き上げて廊下を進む。この空間に流れているのは悲しく、切ない気持ちが入り混じっている。それは、
おばちゃんが目を覚まさない事だ。
私が来る前から目を覚まさないおばちゃん。それは息子さんを亡くしたショックだったからだ。
そしておじちゃんもまた息子さんの影を追うように：：：、
翠星石の片割れである『蒼星石』に息子さんと思い込むようになってしまった。
貴「蒼星石：：：」
蒼「あ、おかえりなさい。蒼」
貴「：：：うん、ただいま」
翠星石と同様に蒼星石の頭も撫でてあげる。この子は本当にいい子だ。
こんな異常な環境でもおじさん達の傍にいるのだから。
貴「じゃあ、私は夕食の用意でもしてくるよ」
二人の頭を撫でながら言って、一人で台所へと向かった。
本当なら、夕食はおじさんが作っていたのだが：：：今は夕食を作れる状態ではない。
だから、今はこうして私が夕食を作っているのだ。
貴「おじさん、夕食持ってきたよ」
お「：：：ありがとな」
お盆ごと、おじさんに渡すとおじさんは疲れ切った顔で私にお礼を言った。
私はちいさく微笑んでからその場を離れる。
貴「：：：」
翠「蒼：：：」
廊下に佇む私を心配してくれたのか、翠星石が私のエプロンをくいくいっと引っ張る。
その姿が可愛くて：：：沈んでいる気持ちが少し軽くなったような気がする。
翠「蒼、蒼には私と蒼星石がいますです。だから：：：そんな悲しい顔をしないでくださいです：：：」
貴「：：：うん、そうだね」
翠星石を抱き上げてぎゅっと抱きしめる。
もっと自分が強くならないと：：：そう思いながら。
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RIN - 蒼星石って女の子ですよね？あれ？ (2017年12月10日 20時) (
レス) id: a7bd376b17 (このIDを非表示/違反報告)
迷い少女 - 禁断の恋……グッジョブです！keitoさんナイスです！蒼星石私も大好きです！ (2017年2月11日 21時) (レス) id: 5455d9796b (このIDを非表示/違反報告)
スズム - 私こんな小説まっていました！続きまってます (2016年9月3日 23時) (レス) id: f5753a9cbf (このIDを非表示/違反報告)
AYURI(プロフ) - keitoさん» (`・ω・´)ゝﾋﾞｼｨ (2016年4月12日 17時) (レス) id: ec5663ae21 (このIDを非表示/違反報告)
keito(プロフ) - はい、読ませて頂きます<(_ _)> (2016年4月12日 17時) (レス) id: 5710870048 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：keito | 作成日時：2015年7月6日 17時
