君が私の心の拠り所 ページ26
私は一人、自分の部屋で机に突っ伏していた。
貴「：：：」
始めておじさんに手を上げられた。そして血の繋がっていないとも：：：。
精神が不安定だから、本当ならおじさんはあんな事を言う人じゃないって分かっている。
貴「けど、改めて言われると結構きついな：：：」
心の奥がぎゅっとなってズキズキする。心の痛みが私の全部を支配する。
平手された右頬もまた、同じようにズキズキしていた。
でも、本当の事だ。そう言われても仕方がない。そう思い、寝ようとした時だった。
蒼「蒼：：：」
貴「：：：蒼星石？」
蒼「大丈夫？」
蒼星石が襖を少し開けて、顔だけを覗かせる。私は微笑みを浮かべて蒼星石に両手を広げた。
蒼星石が嬉しそうに私に飛び込んでくる。
私は出て来そうな涙を流さないように、ぐっと我慢する。蒼星石を抱きしめてる事でその思いは心の中に抑えられた。
蒼「ごめんね、マスターが：：：」
貴「蒼星石のせいじゃない」
蒼「：：：でも」
貴「おじいさんは間違っていない。私は余所から来た人間：：：血の繋がった家族を大切にするのは普通だもん」
当たり前、その言葉で私の気持ちに嘘を付く。蒼星石が私の気持ちを分かっているのかは定かではないが、
蒼「僕にとって、蒼はとても大切な家族だよ」
こうやって、目を合わせて真っ直ぐな瞳で私を『大切だ』と伝えてくれる蒼星石：：：彼女の言葉を信頼出来る。
いや、ただ心の拠り所が欲しくてそう思っているだけかもしれないけど。
貴「ありがとう、蒼星石の言葉は私の心を暖かくしてくれる。私の心の拠り所は蒼星石が傍にいてくれる事だよ」
蒼「：：：蒼」
貴「何て：：：ね。逆に蒼星石に頼り切っているだけかもしれない」
自分の言っている事が恥ずかしくて、否定的な言葉を言ってしまった。けど、蒼星石を見てますますそう思った。
蒼星石に私は：：：執着しているんだって。
蒼「僕に：：：頼って良いんだよ？」
貴「ううん、違うの。蒼星石を頼りたくない訳じゃない：：：貴方に弱音ばかり見せて、心配させてる」
蒼「良いんだよ。心配させて？弱音を吐いても良い：：：それが僕だけに見せているのなら尚更、嬉しい」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 33人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
RIN - 蒼星石って女の子ですよね？あれ？ (2017年12月10日 20時) (
レス) id: a7bd376b17 (このIDを非表示/違反報告)
迷い少女 - 禁断の恋……グッジョブです！keitoさんナイスです！蒼星石私も大好きです！ (2017年2月11日 21時) (レス) id: 5455d9796b (このIDを非表示/違反報告)
スズム - 私こんな小説まっていました！続きまってます (2016年9月3日 23時) (レス) id: f5753a9cbf (このIDを非表示/違反報告)
AYURI(プロフ) - keitoさん» (`・ω・´)ゝﾋﾞｼｨ (2016年4月12日 17時) (レス) id: ec5663ae21 (このIDを非表示/違反報告)
keito(プロフ) - はい、読ませて頂きます<(_ _)> (2016年4月12日 17時) (レス) id: 5710870048 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：keito | 作成日時：2015年7月6日 17時
