彼女の悲しき微笑み ページ25
白い世界の中、いやマスターの妻・柴崎マツの記憶の中と言うべきか。
彼女とマスターは息子を交通事故で亡くしたショックで彼女は昏睡状態に陥り、マスターは精神破綻をしてしまい、僕を息子と思うようになった。
僕は二人の事を助けたくて：：：いや、ただの自己満足かもしれないけど。
蒼「おばあちゃん：：：ん？」
上からレンピカが下りてきて、僕の目の前に来る。すると記憶の外から一樹と呼ぶマスターの声が聞こえた。
ここから早く出なくちゃマスターが心配してしまう。
貴『蒼星石、早く：：：』
蒼「蒼：：：うん」
蒼の声がこだまする。静かで優しい声。僕の大切な人。
部屋に戻って来ると、蒼が手を広げて待っていて：：：僕は笑みを浮かべながら、彼女の腕の中へと飛び込んだ。
貴「どう、おばさんの記憶の中は？」
僕は蒼の問いに、首を横に振って答えた。微笑んでいた彼女は悲しい顔に変わり、僕の頭を撫でる。
血も繋がっていないおばあちゃんにこうやって心配してくれている優しい蒼。本当に良い子だ。
蒼「：：：ごめん」
貴「ううん、蒼星石のせいじゃないよ。蒼星石はおばあちゃんを助けようとしているんだもん」
蒼星石は優しい子、と抱きしめてくれる蒼に僕は蒼の肩に顔をうずくませる。
蒼「ありがとう：：：蒼」
ずっとこうやって抱きしめられていたい。
彼女といると、何もかもを忘れられていられる。ローランと同じように感じた感情が僕の心を癒してくれる。
けれど、その時間はあっという間に壊れて行く。
柴「一樹！」
そう言って襖を開けたのは、マスターだった。僕を抱きしめている蒼は、僕を抱きかかえながらマスターの近くによる。
貴「ほら、おじさん。一樹君ならここ：：：に」
僕をマスターに渡そうとしていた蒼。そう言いながら、笑みを浮かべていた蒼の顔に一つの平手が飛んできた。
僕は大丈夫かと声を掛けようした時、僕の体はマスターの腕の中へと入る。目の前には、右頬を押さえる蒼の姿が映る。
彼女自身もまた、ありえないという顔をしていた。初めて平手打ちをされたから：：：。
柴「一樹はお前と違って私達の息子なんだ。気安く触るな！」
普段とは違ったマスター。前髪で隠れている蒼の顔から一粒の涙がこぼれる。
けれど、顔を上げた時には微笑んでいた。
貴「ごめんなさい、おじさん」
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RIN - 蒼星石って女の子ですよね？あれ？ (2017年12月10日 20時) (
レス) id: a7bd376b17 (このIDを非表示/違反報告)
迷い少女 - 禁断の恋……グッジョブです！keitoさんナイスです！蒼星石私も大好きです！ (2017年2月11日 21時) (レス) id: 5455d9796b (このIDを非表示/違反報告)
スズム - 私こんな小説まっていました！続きまってます (2016年9月3日 23時) (レス) id: f5753a9cbf (このIDを非表示/違反報告)
AYURI(プロフ) - keitoさん» (`・ω・´)ゝﾋﾞｼｨ (2016年4月12日 17時) (レス) id: ec5663ae21 (このIDを非表示/違反報告)
keito(プロフ) - はい、読ませて頂きます<(_ _)> (2016年4月12日 17時) (レス) id: 5710870048 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：keito | 作成日時：2015年7月6日 17時
